夜、昆虫はこうこうと輝く飲食店、コンビニ、スーパーマーケット、各種店舗、宿泊施設等の窓ガラスに集まってきます。
一戸建て住宅やマンション、商業ビルでも同様、昆虫は照明の光に向かって集まってきます。
特に夏の夜、多くの昆虫が光に向かって集まってきます。
これは、なぜでしょう?
これは、昆虫が持つ「走光性(そうこうせい)」が大きく関係しています。
では、昆虫の走光性と窓ガラスの防虫、虫除け対策について解説します。
なぜ、昆虫は夜、店舗や施設に集まる?
走光性(そうこうせい)を持つ昆虫は、光に含まれる「紫外線」に反応して集まる習性があります。
それを逆手に取り、よくコンビニや店舗の外側に飛来昆虫捕獲機(ひらいこんちゅうほかくき)が設置されています。これは、紫外線ランプを使用しています。
飛来昆虫捕獲機の集虫燈ランプは、正の走光性を持つ昆虫が反応する波長(360~370nm)を放出します。これにより虫を集めて、捕獲する仕組み。
ここで、「走光性」という耳慣れない言葉を解説します。
走光性とは?
生き物が持つ正の走光性
走光性とは、生き物が光に反応して移動する性質を意味します。
光に集まってくる行動を「正の走光性」と言います。照明が点灯している建物の窓ガラスや街灯/外灯に集まってくる昆虫は、正の走光性を持っているのです。
例えば、ウンカやユスリカ、ガ、カゲロウ、カブトムシ、ゲンゴロウ、コガネムシ、セミ、カナブン等は正の走光性を持つ昆虫。
正の走光性を持つ昆虫は本能的に光に集まる習性があります。
コンビニや各店舗に出入りするお客さんの中で、特に多くの女性は窓ガラスに群がる昆虫に嫌悪感を抱きます。男性でさえ、ガラスに群がる昆虫を見ると、不潔に感じるのではないでしょうか。
誰もが、建物の窓ガラスに集まってくる昆虫に清潔感を抱きません。
ややもすると、窓ガラスに群がる虫が店舗や施設のブランドやステイタス、商品とサービスイメージを低下させる要因となります。
飛来昆虫捕獲機の問題点
コンビニなどの各種店舗に飛来昆虫捕獲機(ひらいこんちゅうほかくき)を見かけることがあります。夜間、捕獲機が青い光を放っています。
「飛来昆虫捕獲機」とは、なんとも堅苦しい商品名で舌を噛みそうになるものの、要は、これは集まってきた虫を捕獲する装置。
飛来昆虫捕獲機はメンテナンスとランニングコストが発生します。
・約半年毎のUVランプ交換
飛来昆虫捕獲機に使用する誘虫灯ランプ(UVランプ)の寿命は半年程度。UVランプは性能の低下が早く、使用開始から6ヶ月経過すると、紫外線の放出性能が50~80%台に低下します。
よって、定期的な誘虫灯ランプの交換が必要です。
・捕獲した虫の処理
日常的に飛来昆虫捕獲機が捕獲した虫を処理する手間が必要です。
・電気代
捕獲機を機能させるためには、夕方から翌早朝まで電気代が必要です。
防虫フィルムが虫の飛来を低減
とかく、店舗や施設にとって虫は悩ましい問題。
そこで、窓ガラスに集まってくる虫除け対策として、窓に「防虫フィルム」を施工する方法があります。
防虫フィルムBefore & After
Before:虫除け、防虫フィルム施工前
正の走光性を持つウンカやユスリカ、ガ、カゲロウ、カブトムシ、ゲンゴロウ、コガネムシ、セミ、カナブン等は店舗照明に含まれる紫外線に向かって集まる習性があります。
例えば、コンビニに設置されている飛来昆虫捕獲機は1、2台のため、 店舗に集まってくる全ての虫を捕獲するのは難しくなります。
After:虫除け、防虫フィルム施工後
虫除け効果のある防虫フィルムは、虫が反応する紫外線領域の光だけをカットする紫外線カットフィルム。これにより、正の走光性を持つ虫の飛来を低減するメカニズムです。
店舗照明がガラスフィルムを通過して暗くなるようなことはありません。また、外から見た店舗照明の明るさは変わりません。
照明から出る紫外線
使用している照明がLEDなのか、蛍光灯や白熱電球、ハロゲンランプなのかにより、発する紫外線量に違いがあります。
これら照明の中で、LEDは紫外線を発生しないという商品説明が一部あるようです。しかし、これは誤りです。LEDの種類により、紫外線量に違いがあります。
LED
■青色LEDと蛍光体を組み合わせたLED
▼
LEDから微量の紫外線が出る。
■赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせたLED
▼
LEDから微量の紫外線が出る。
■近紫外LED or 紫色LEDにより、赤・緑・青の蛍光体を光らせるLED
▼
LEDから紫外線が出る。
夜間、LEDの街灯を観察すると、虫が集まっていることが確認できます。このことからも、LEDが放出する紫外線はゼロではないことが解ります。
蛍光灯、白熱電球、ハロゲンランプ
蛍光灯、白熱電球、ハロゲンランプはLEDより多くの紫外線量を放出します。
虫除け防虫フィルムのメリット
窓ガラスに虫除け効果のある防虫フィルムを施工すると、複数のメリットをもたらします。
・正の走光性を持つ虫の飛来を低減
・防虫フィルムのランニングコストはゼロ
・店舗、施設の清潔感を維持
・店舗、施設のイメージとブランディングの確保
・ガラスフィルムのメンテナンスは簡単
窓ガラス用、虫除け効果のある防虫フィルムは「3MTM」や「サンゲツ」のフィルムラインアップからお選びいただけます。
24時間365日、虫除け効果を発揮
窓ガラスに防虫フィルムを施工後、虫除け防虫効果が24時間365日、持続します。当然、ランニングコストはゼロ。
窓ガラスは言わば、店舗やサービス業の顔。窓ガラスに集まってくる虫を防虫フィルムで低減し、清潔感とイメージアップ効果が期待できます。
防虫フィルム・ラインアップ
3MTM防虫フィルム
3MTMの防虫フィルムは正の走光性のある虫に対して、虫除け効果を発揮する紫外線カットフィルム。
・紫外線カットフィルムが虫が反応する紫外線領域の光をカット
・紫外線を99%以上カット
・ガラス飛散防止
※内貼り用フィルム。
用途
飲食店、コンビニ、各種店舗、宿泊施設、食品工場、一戸建て住宅、マンション等。
3MTM防虫フィルム仕様
可視光線透過率 | 90% |
紫外線カット率 | 99%以上 |
遮蔽係数 | 0.97 |
熱貫流率 | 6.1W/m2・K |
※これは透明の防虫フィルムです。
防虫効果
3MTM防虫フィルムの防虫効果を★でイメージ。
【★★★☆☆】
3MTM防虫フィルム施工価格
3MTM防虫フィルムの施工価格はこちらのページをご参照ください。
sangetsu CREAS防虫フィルム
2020年6月、サンゲツのCREAS/クレアスからクリアタイプの虫除け防虫フィルム、ムシアウェイ(GF1408、外貼り用)がリリースされました。
従来のムシアウェイはマットタイプ。ラインアップにクリアタイプが加わり、更にマーケットが広がりました。サンゲツの防虫フィルムの特徴は次のとおりです。
・紫外線カットフィルムが虫が反応する紫外線領域の光をカット
+
・フィルム表面に防虫効果のある薬剤(ピレスロイド系防虫成分)を配合
(紫外線に反応しない虫に対しても、虫除け効果を発揮。)
・紫外線を99%以上カット
・ガラス飛散防止
※ピレスロイド系防虫成分が練り込まれているフィルムの安全性はClass U。このフィルムの危険性は無く、通常に接しても人体への影響はありません。
※外貼り用フィルム。
効果が期待できる虫の種類
ハエ、蚊、ゴキブリ、ノミ、トコジラミ、イエダニ、アオムシ、アブラムシ類、イナゴ類、ウンカ類、カメムシ類、コナガ、尺取虫類、毛虫類、コナジラム類、タバコ蛾、ヤマノイモ蛾、ヨトウムシ類。
用途
飲食店、コンビニ、各種店舗、宿泊施設、食品工場、一戸建て住宅、マンション等。
忌避率
ムシアウェイの平均忌避率:85%以上(フィルムメーカー試験結果)
メリット
クレアスのムシアウェイは外貼り専用フィルムです。これは、窓の外側(室外側)にフィルムを貼るタイプ。店舗の営業中、施工作業でご迷惑をおかけすることがありません。
ムシアウェイ(GF1408)クリアタイプ仕様
可視光線透過率 | 89% |
紫外線カット率 | 99%以上 |
遮蔽係数 | 0.96 |
熱貫流率 | 6.1W/m2・K |
※透明の防虫フィルムです。
防虫効果
クレアス防虫フィルムの防虫効果を★でイメージ。
【★★★★☆】
クレアス防虫フィルム施工価格
クレアス防虫フィルムの施工価格はこちらのページをご参照ください。