日常会話で「バルコニー」と「ベランダ」を混同して使っている方が多いのではないでしょうか?
「バルコニーに干してある布団を部屋に入れなきゃ。」
「ベランダに置いてあるプランターの手入れをしよう。」
ベランダは昔から使われている言葉ということもあり、中高年の方はベランダの方がしっくりくるかもしれません。
他に、テラスやルーフバルコニーという言葉もあります。それぞれ建築物の一部を意味する言葉ながら、意味が異なります。
そこで、バルコニー、ルーフバルコニー、テラス、ベランダの違いと外からの視線が気になる目隠し対策について解説します。
バルコニー、ルーフバルコニー、テラス、ベランダの違い
バルコニー
バルコニーは2F以上に設置されています。
・バルコニーに屋根が無い。
・バルコニーは建物から外に張り出している。
マンションの場合、上階の部屋のバルコニーが屋根の役割を果たすケースが多くなります。よって、上階の部屋のバルコニーが夏、太陽光の眩しく暑い日射熱をカットしてくれます。
ルーフバルコニー
ハーフバルコニーは当然、2F以上に設置されています。
ルーフバルコニーは下の階の屋根を利用したスペースを意味します。
テラス
テラスは1階にあり、飲食店のテラスにガーデンパラソルが設置されていることもあります。
カフェの屋外テーブルで飲食する場合、その場所はテラス席と呼びます。
ベランダ
ベランダは2F以上に設置されています。特徴として、
・屋根が付いている。
・ベランダは建物から外に張り出している。
屋根が付いていなくても、ベランダと呼ぶことが多いかもしれません。
ベランダに取り付けられている庇(屋根)は夏、太陽光の眩しく暑い日射熱をカットしてくれます。
マンションのバルコニー、ルーフバルコニー、ベランダは共用部分
低層マンションの場合、賃貸と分譲を問わず、バルコニーが多いのではないでしょうか。
そして、高層マンションやタワーマンションの場合、窓が開かない、あるいは中層階から上の部屋の窓が開かない設計になっています。
マンションのバルコニー、ベランダは共用部分。そのため、当然ながらリフォームは禁止されています。サッシや窓も同様です。
分譲マンションの管理規約の多くは、バルコニーの手すりを利用した布団干しを禁止しています。
また、仲間を呼んでバルコニーでパーティーやBBQなどは、ニオイを含めて隣人や上階の迷惑になるため気を付けたいもの。
一戸建て住宅ならば、バルコニーやベランダをいかように使用しても問題ありません。
賃貸物件と分譲マンションは様々な規約があるため、規約を意識しながらバルコニーを上手に使って生活を楽しみたいものです。
一戸建て住宅のバルコニー、ベランダ不要論
近年、よくバルコニーやベランダが無い一戸建て住宅を見かけます。
人によっては、洗濯物干しはどうする?布団干しはどうする?という素朴な疑問が湧いてくるかもしれません。
ランドリールームで部屋干し
かつて、一戸建て住宅にバルコニーやベランダを見かけました。しかし、今やバルコニーやベランダが設置されている一戸建て住宅は減少傾向にあります。
そして、バルコニーやベランダの代わりに、室内にランドリールームが設置されている家があります。ランドリールームに洗濯機を設置し、洗濯物を部屋干しすれば、人の動線がスムーズになります。
洗濯洗剤メーカーのデータによりますと、2015年あたりから洗濯物の部屋干しが増加傾向にあるようです。
ランドリールームのメリット
ランドリールームのメリット、特徴は複数あります。
・部屋干しは天候に無関係。
・衣類に花粉や砂埃、排気ガス、PM2.5が付かない。
・衣類に虫が付かない。
・夜、洗濯することが多く、外干しできない。
・朝、洗濯して外干しすると、帰宅した時に衣類が湿っていたり、雨で濡れてしまっていることがある。
このような背景から、部屋干し用の洗濯洗剤が販売されています。
布団乾燥機の活用
次に、バルコニーやベランダが無い家で布団干しはどうする?と疑問を持たれるかもしれません。
確かに、布団干しすると、布団が日射熱で乾燥してふっくらと温かくなります。湿度を好むダニ対策として、布団干しは意味があるでしょう。また、太陽の紫外線による殺菌効果も期待できます。
しかし、布団を干しても布団の中のダニ退治は難しく、ダニが布団の裏側へ移動するだけであることが分かっています。また、花粉症の方は布団干しができません。
としますと、日本の伝統文化の布団干しは、今やなんとも微妙なのかもしれません。
他方、布団乾燥機の需要が高まっています。
布団乾燥機の性能が良くなり、価格がこなれてきています。実際、布団乾燥機を使ってみると、1年を通して使えて便利。特に、布団乾燥機は梅雨の時期に重宝します。
このような理由から、布団乾燥機のニーズが高まっているのでしょう。
布団乾燥機は60~70℃の高温で布団を乾燥させながら、同時に確実にダニ退治ができる優れもの。
布団の乾燥とダニ退治のためには、布団乾燥機が便利だと気付いている人が増えているのかもしれません。
いつの時代も子育て世代の30代で家を建てる人が多く、世代が変わっていくとライフスタイルや好みも変わっていきます。
部屋干しで布団乾燥機を使用するライフスタイルであれば、あえて家にベランダやバルコニーを設置する理由が無いとも言えます。
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バルコニーやルーフバルコニー、ベランダの目隠し対策
日当たりの良いバルコニーやベランダから、日差しが部屋を明るく照らしてくれます。
しかし、マンションや一戸建て住宅の立地条件や階数、周囲のマンションや隣家、道路などの関係で外からの視線が気になる部屋が多いのも事実。
そこで、目隠し対策として、レースカーテンやブラインドが一般的です。
レースカーテン
レースカーテンは大きく次の特徴があります。
高い← ← ←【透過性】→ → →低い
低い← ← ←【目隠し性能】→ → →高い
並← ← ← ←【眺望】→ → → →悪化
明るい← ←【室内の明るさ】→ →暗い
目隠し性能が高いレースカーテンほど、眺望が悪化し、室内が暗くなります。
逆に、目隠し性能が低いレースカーテンほど、眺望が良くなり、室内が明るくなります。
レースカーテンのデザイン性と機能性は進化を続けています。しかし、窓際にレース生地という繊維を設置する以上、眺望が抜群で目隠し性能も高いレースカーテンは有り得ないのです。
遮熱、断熱性能
レースカーテンの中には、遮熱性能や保温性能を謳っている製品があります。この製品は次のような特徴があります。
低い ← ←【遮熱性能】 → → 高い
低い ← ←【保温性能】→ → 高い
普通 ← ←【眺望と明るさ】→ → 低下
遮熱と保温性能を高めたレースカーテンほど、眺望と明るさが悪化します。
逆に、遮熱と保温性能が低いレースカーテンほど、眺望と明るさが向上します。
レースカーテンのまとめ
目隠し性能が高いレースカーテンほど
・透過性が低い
・眺望の悪化
・室内が暗くなる
・遮熱と保温性能が高くなる
ブラインド
メリット
ブラインドはスラット(羽根)の角度を変えることで、採光をコントロールできるのが最大の特徴。
スラットを水平近くにセットすれば、外の様子や天候を確認できます。そして、スラットの角度を垂直近くまで調節すれば、高い目隠し効果があります。
デメリット
他方、ブラインドは遮熱性能と断熱性能が低い製品です。
夏季、スラットが太陽光の日射熱を吸収して熱を帯びます。そして、放熱するため窓際の室温を上昇させます。また、スラットはアルミと木製が多く、角度を垂直近くまで調節しても、断熱性能はあまり期待できません。
ブラインドのまとめ
ブラインドはスラットの角度を調節することで、
・採光と目隠し効果を自由にコントロールできる。
・遮熱と断熱性能はほとんど期待できない。
ガラスフィルム
以上のように、レースカーテンとブラインドは、それぞれメリットとデメリットがあります。バルコニーやベランダの目隠し対策として、理想論は以下の条件が挙げられます。
(1)室内の様子が外から見えない、あるいは、外から見えにくい。
(2)室内の明るさを確保。
(3)室内からの眺望がいい。
(4)窓が夏の日射熱を遮熱できる。
(5)窓の断熱性能を高めることができる。
以上、5つの条件のうち、4つ、または5つの条件をクリアする対策として、窓ガラスにガラスフィルムを施工する方法があります。
窓ガラス+ガラスフィルム
住宅の窓に施工するガラスフィルムの中で、遮蔽係数の小さい遮熱フィルムと遮熱断熱フィルム、そして、目隠しフィルムがあります。
これらのガラスフィルムの共通点として、以下の機能性があります。
・外から室内が見えない、あるいは、見えにくい
・99%以上、紫外線/UVをカット
・ガラス飛散防止
目隠しフィルムは、眺望をしっかり確保できるタイプからすりガラスに近いタイプ、不透明に近いタイプもあります。居住空間と好みに応じて目隠しフィルムを選択できます。
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