家にはトレンドがあります。と言っても、家はファッション業界のように、目まぐるしく変化するわけではありません。
住宅業界はファッション業界に比べたら、牛歩の歩みのように変化がゆっくり。しかし、10年単位で考えると、明らかに住宅業界は変化しています。
かねてより、「住宅業界は遅れている」という声があります。
確かに、それは一理あるかもしれません。住宅業界は変化がゆっくりなため、遅れていると解釈されるのでしょう。その遅れを取り戻すべく、家は1歩1歩、確実に進化しています。
大まかに2000年代に入り、一戸建て住宅が大きく変わってきた要素が複数あります。それらの中で、窓に設置するシャッターが挙げられます。
昔は雨戸と呼ばれたものの、今や新築物件に雨戸を設置するケースは皆無。代わりに「窓シャッター」がその役目を担っています。しかし、窓シャッターが無い家も多く見かけます。
「家の窓シャッターは必要?それとも、いらない?」
「やはり、電動シャッターは便利?」
「窓シャッターを付けないならば、防犯ガラスが必要?」
様々な疑問と意見が渦巻く中、当ブログの管理人が窓シャッターに焦点を当てて、多角的に考えてみます。
更に、建物に窓シャッターが無く、1Fの窓が防犯ガラスではない場合、その防犯対策を解説します。
窓シャッターの役割
窓のシャッターは家のファッションではなく、きちんとした機能性を持っています。
防雨、防風
シャッターを閉めることで、横殴りの雨と強風から窓ガラスを守ることができます。
特に台風の上陸時、飛来物が窓ガラスを直撃すると、割れてしまうリスクがあります。シャッターは、そのようなアクシデントから窓を守ることができます。
防犯、防炎
家のシャッターが閉まっていると、当然、防犯対策になります。空き巣犯は物音を立てたり、時間を要する家への侵入を極度に恐れるため、シャッターが閉まっていると家への侵入を諦める確率が高まります。
次に、近隣で火災発生時、シャッターが閉まっていると延焼を食い止める効果があります。
遮熱、遮光
シャッターはアルミ製のため、太陽光の遠赤外線を吸収して放熱します。同時に遮光してくれます。真夏の日差しが厳しい日、シャッターを少し降ろすだけでも、眩しさと暑さを和らげることができます。
窓シャッターの必要性
かねてより、窓シャッターは必要なのか?それとも不要なのか?意見が分かれています。
必要派の意見
強風対策
強風や台風の上陸時、シャッターが窓を守ってくれる。
防犯対策
シャッターを閉めることで、空き巣犯が家への侵入を諦める確率が上がる。
日除けとして使用
窓シャッターを1/3から半分ほど閉めることで、日除けとして使うことができる。
窓ガラスが汚れにくい
夜間、窓シャッターを閉めることで、特に降雨時の水滴が窓に付かないため汚れにくくなる。
不要派の意見
コスト高
窓シャッターはサイズによって価格に開きがあるものの、10~30万円ほどが目安。別途、設置工事費も必要です。家の各窓に窓シャッターを設置するとなると、かなりの予算が必要です。
防犯ガラスで対策
窓シャッターを設置するとコスト高となるため、1Fの窓に防犯ガラスを設置する方法があります。1Fの窓に防犯ガラスを設置すると、家の防犯性能を高めることができます。
防犯ガラスは「防犯合わせガラス」とも呼ばれ、2枚のガラスの間に中間膜を挟み込んだ構造。
「CPマーク」が付いている防犯ガラスは一定の防犯性能が担保されているため、空き巣犯に対する警告にもなります。
シャッターの開閉不要
日常生活の中で毎日、窓シャッターの開け閉めは面倒と言えば、面倒。また、開閉音が出ます。
防犯対策
以下は、窓シャッター必要派とは異なる考え方。
空き巣犯は行き当たりばったりで犯行に及ぶのではなく、目を付けた物件を下見してから犯行に及ぶと言われます。
家の窓シャッターの開閉状態を見れば、一目で住人の存在と生活パターンが分かってしまいます。
家のシャッターが3日も4日も閉まっている場合、空き巣犯は家の住人が旅行や用事などで不在であると判断できます。
言わば、閉じたままのシャッターが犯行を後押ししてしまう可能性があるのです。
その点、窓シャッターが無い家ならば、家の中に住人がいるのか不在なのか分かりにくいのです。(夜間を除く)
電動シャッターのメリット、デメリット
メリット
・窓シャッターの開閉がラク
・タイマー付き電動シャッターは開閉時間を自由に設定できる
→朝と夕方、電動シャッターの開閉時間をタイマー設定すれば、住人が旅行などで家を空けていても、在宅中を演出できる。(防犯対策)
デメリット
・電動の住宅設備は将来的に故障する
電気仕掛けの住宅設備は将来的に故障します。電動の住宅設備は10年、20年のスパンでは、高い確率で故障します。
電動シャッターもご多分に漏れず、長期的には故障のリスクがあります。古くなった電動シャッターが故障すると、既に補修部品が無い場合もあり、シャッター毎、全交換となります。
電動シャッターの必要性
電動シャッターの選択は好みの問題。なお、将来的なシャッターの故障と修理、交換を避けたいのであれば、普通の手動式シャッターがおすすめです。
当ブログの結論
明らかに、窓シャッターの必要派と不要派に分かれていて、今後も平行線のまま続くのではないでしょうか?
家づくりを検討している子育て世代にとって、コスト高となる窓シャッターを付ける、付けないは悩ましい問題の1つ。そして、築後、後付けで窓シャッターの設置を検討している方もいることでしょう。
一戸建て住宅にとって、窓シャッターを設置するかどうかは悩ましい問題なのです。
そこで、当ブログの管理人の独断と偏見で結論を出したいと思います。
基本的に家に窓シャッターは不要。
(但し、1Fの窓に防犯ガラスの設置を推奨。)
※準防火地域では、網入りガラスや窓シャッターの防火設備の設置が義務付けられています。
では、窓シャッターが不要な理由を解説していきます。
窓シャッターが不要な理由
理由1
窓シャッターが必要派の1つ目の意見として、強風対策を挙げています。
もし、強風や台風による飛来物が窓シャッターを直撃すると、場合によってはアルミシャッターが変形します。窓シャッターが変形したら開閉不可となり、交換するしかありません。
次に、飛来物により防犯ガラスにひび割れが入った場合、その窓を交換することになります。
大型台風による看板の破片やトタン屋根などが防犯ガラスを直撃し、悪条件が重なってしまったら、ガラスは高い確率で割れるでしょう。
しかし、飛来物がガラスとガラスの間の中間膜を突き抜けるようなケースは考えにくいと思います。(ゼロとは言えません。)
いずれにしても、窓シャッターの有無にかかわらず、飛来物の被害を受けたら最悪、シャッターや防犯ガラスを交換することになります。
でしたら、「最初から窓シャッターを付けなければいい」と考えることができるのではないでしょうか。
理由2
窓シャッターが必要派の2つ目の意見として、防犯対策を挙げています。
確かに、窓シャッターにより、防犯効果が期待できます。しかし、空き巣犯は窓シャッターが無い窓から家への侵入を試みる可能性があります。
理由3
窓シャッターが必要派の3つ目の意見として、日除け効果を挙げています。
確かに、窓シャッターを1/3から半分、閉めることで、日除け効果はあります。
しかし、窓シャッターを半分閉めると、室内がだいぶ暗くなってしまいます。シャッターを1/3閉めた状態では、夏の眩しく暑い太陽光が室内に入ってきます。
窓シャッターの中には、ルーバータイプで光を通す製品はあるものの、一般的な窓シャッターは光を通さないアルミ製である以上、日除けに適しているとは言い難いのです。
理由4
窓シャッターが必要派の4つ目の意見として、窓ガラスが汚れにくいメリットを挙げています。
しかし、一戸建て住宅に適切な軒(のき)と庇(ひさし)が備わっていれば、窓ガラスはほとんど汚れません。10年、20年経過しても、窓ガラスはほとんど汚れないのです。
但し、軒と庇が無い家の窓ガラスは汚れやすくなります。そのような家の場合、雨天時は窓シャッターを閉めておけば、窓ガラスの汚れを防止できます。
まとめ
台風銀座と言われてきた沖縄と九州地域では、窓シャッターの必要性が高いかもしれません。他方、本州、四国、北海道にかけて、窓シャッターの設置に疑問符が付きます。
そもそも、北海道では窓シャッターはなじみが薄い設備。
まとめますと、
基本的に家に窓シャッターは不要。
(但し、1Fの窓に防犯ガラスの設置を推奨。)
なお、どうしても窓シャッターにこだわる方は、新築の打ち合わせ段階で担当者と話を詰めてください。
次に、どうしても家に窓シャッターを後付けしたい方、そして、富裕層の自宅内に希少価値が高い高価な調度品などがある場合、専門業者に相談して納得できるシャッターを選んでください。電動シャッターを含めて選択肢が豊富です。
さて、
ここで、次に該当する場合、窓に防犯フィルムを貼ることで、家のセキュリティ性能を高めることができます。
・窓シャッターが無い家
&
・1Fの窓が防犯ガラスではない家
シャッター無し&1Fの窓が防犯ガラスではない家の防犯対策
防犯フィルムで防犯対策
防犯フィルムとは、300μm前後の厚みがあるフィルム。一般的なガラスフィルムの厚みは50μmほどのため、その差は約6倍。ちなみに、50μmは新聞紙1枚と同程度の厚さです。
リビングの窓が単板ガラスやペアガラスの場合、空き巣犯にとっては比較的、簡単に破ることができてしまいます。
そこで、家の防犯対策として、窓ガラスの内側(室内側)に防犯フィルムを貼ると、空き巣犯が窓を打ち破るのは容易ではなくなります。
これにより、窓の防犯性能を高めることができます。防犯フィルムにより、ガラスが割れないのではなく、空き巣犯の家への侵入時間を稼ぐための防犯対策です。
空き巣犯は建物への侵入時間が「5分」以上かかると、犯行を諦める傾向があると言われます。空き巣犯は周囲の人の目や物音を極度に恐れるため、犯行に時間がかかるような物件を避けるのです。
防犯フィルムは空き巣対策のみならず、台風による飛来物が窓を直撃した場合、極厚フィルムがガラスをしっかり保持してくれます。防犯フィルムの機能性をまとめてみます。
・家の防犯性能が向上
・ガラス飛散防止
・99%以上、紫外線カット
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防犯フィルムの施工価格。厚さ100~300μmの防犯フィルムからお選びいただけます。
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