秋から冬、春にかけて、私たちの暖かく快適な睡眠をサポートしてくれる羽毛布団。一度、羽毛布団を使い始めると、もう、他の選択肢が無くなってしまう快適な寝具。
人生の1/3を占める睡眠。
質の高い眠りをサポートしてくれる寝具は心身の疲れを癒し、健康維持と爽やかな目覚めのための大切な生活用品の1つ。
羽毛布団は寿命が長く、そうそう頻繁に買い換える寝具ではありません。また、羽毛布団は安価な輸入品から高品質な日本製まで様々。
やはり、納得できる暖かい羽毛布団と長く付き合っていきたいもの。
そこで、羽毛布団の知識を頭に入れておいて損はありません。初めて、羽毛布団を購入する方から買い替えを検討している方まで、知っていて損はない羽毛布団について情報をまとめました。
更に、質の高い睡眠のための寝室環境を整える方法をご紹介します。
羽毛布団とは?
羽毛布団の品質表示タグに「詰めもの:ダウン90%、フェザー10%」という表示があります。これは、詰めもの全体の90%がダウン、残り10%がフェザーを使用しているという意味。
ダウンの割合が50%以上の布団を「羽毛布団」と呼びます。
ダウンとフェザーの違い
ダウン
ダウン/Downとは、水鳥の胸毛を意味します。ダウンに羽軸が無く、あたかもタンポポのような羽毛。
ダウンはフェザーより軽く、多くの空気を含んでいます。この空気の層が高い断熱効果を発揮します。ダウンジャケットにも、このダウンが使われています。
フェザー
フェザー/Featherは湾曲した羽軸のある羽根を意味し、スモールフェザーとラージフェザーに分かれます。
スモールフェザー
スモールフェザーとは、鳥の腹部の羽軸のある小さな羽根を意味します。スモールフェザーは羽毛布団に使われています。
ラージフェザー
ラージフェザーとは、鳥の翼の羽軸のある大きな羽根を意味します。ラージフェザーは羽毛布団には使わていません。
羽毛の選別方法
あたかも雪が舞い降りているようなオープニングで始まるYouTube動画。各国から輸入された羽毛は汚れとニオイを取り除くために徹底した洗浄後、選別されていきます。
グースとダックの違い
羽毛布団には、水鳥のガチョウ(Goose:グース)とアヒル(Duck:ダック)の羽毛が使われています。
グース
グースの羽毛はダックより良質とされています。グースはダックよりも体が大きく、ダウンボールと呼ばれる羽毛のサイズも大きい特徴があります。
繁殖用として生育されているマザーグースはグースより更に体が大きく、比例してダウンボールも大きくなります。よって、マザーグースの羽毛が最良とされています。
ダウンボールが大きいほど断熱効果が高く、より暖かい寝具になります。
ダック
ダックはグースより小柄なため、羽毛のサイズも小さくなります。しかし、ダックの羽毛の品質が劣るわけではなく、グースに次ぐ断熱効果があります。
いくら化学技術と繊維技術が進歩しているとは言え、グースやダックの羽毛の暖かさを超える化学繊維は存在していません。水鳥が極寒の中で生活できるのは、まさに天然の羽毛のおかげ。
水鳥の羽毛は私たちの暖かい生活を支えてくれる、ある意味、偉大な素材と言えます。
羽毛布団の手入れ
羽毛布団の干し方
昔から、「羽毛布団を天日干ししてはいけない。」という考えがあります。
他方、某羽毛布団メーカーのオフィシャルサイトは「天日に干してもOK」という情報もあります。そして、別の某羽根布団メーカーのオフィシャルサイトは「陰干し」を推奨しています。
いったい、何を信じていいのやら分からなくなります。
ちなみに、当ブログの管理人の考えとして、羽毛布団を乾燥させるならば、「風通しの良い室内で陰干し」がおすすめ。
羽毛布団を天日干しすると、側生地が紫外線の影響を受けて劣化の促進が懸念されるからです。羽毛布団に綿のカバーをかぶせてあっても、陰干しがいいと思います。
羽毛布団を干す頻度
羽毛布団の側生地が綿素材であれば通気性がいいため、管理人は羽毛布団を干す頻度にナーバスになる必要はないと思います。月に1回程度、陰干しすれば十分だと思います。
羽毛布団の洗濯
羽毛布団は洗濯機で洗えるものと洗えないものがあります。いきなり洗濯機で羽毛布団を洗濯するのはリスクがあるため注意が必要です。
羽毛布団の洗濯表示
まず、羽毛布団のタグの洗濯表示を必ず確認します。
2016年11月まで:
[四角い洗濯機]や[手洗い]表示があれば、洗濯機で洗えます。
2016年12月1日から:
[洗濯おけ]や[手洗い]表示があれば、洗濯機で洗えます。
洗濯機の取扱説明書
次に、洗濯機の取扱説明書で毛布を洗うモードが内蔵されているかどうか確認します。
羽毛布団のクリーニング
羽毛布団は厚みがあるため、バームクーヘンのように丸めても洗濯機で洗えない家庭が多いと思います。
羽毛布団は度々、洗濯するような寝具ではないため、クリーニングに出した方がリスクが無く安心です。以前、管理人が羽毛布団をクリーニングに出した時、費用は3,000円/枚。
なお、ドライクリーニングが不可の羽毛布団もあるため、予め羽毛布団のタグで確認が必要です。
羽毛布団の選び方
サイズ
サイズ | 横×縦サイズ (cm) |
シングルサイズ | 150×210 |
セミダブルサイズ | 175×210 |
ダブルサイズ | 190×210 |
クイーンサイズ | 210×210 |
側生地の素材
綿100%
羽毛布団の購入時、最初に確認すべきポイントは側生地の種類。側生地は綿100%がおすすめ。綿は通気性が良く、ダウンに一番マッチする素材です。
側生地の 素材 | 快適性 イメージ | 評価 |
綿100% (100番手) | ★★★★★ | 最高級品 |
綿100% (80番手) | ★★★★☆ | 高級品 |
綿100% (60番手) | ★★★☆☆ | 良品 |
綿100% (40番手) | ★★☆☆☆ | 普及品 |
ポリエステル
羽毛布団の大半はポリエステル100%やポリエステル混の生地が使われています。ポリエステル生地の方が製造コストを抑えることができるものの、通気性が悪くて蒸れやすい欠点があります。
側生地がポリエステル85%以上の場合、蒸れて寝苦しくなります。このような羽毛布団は安価とはいえ、購入はおすすめできません。
いくら、ダウンの割合が90%以上の羽毛布団であっても、ポリエステル生地が使われていると、睡眠中、蒸れが快適な睡眠の邪魔をします。
少々、ランクを上げてでも、羽毛布団の生地は「ポリエステル30%、綿70%」あるいは「綿100%」をおすすめします。
側生地の素材 | 快適性 イメージ | 評価 |
ポリエステル30% 綿70% | ★★☆☆☆ | 最低 ライン |
ポリエステル85% 綿15% | ★☆☆☆☆ | 蒸れる |
ポリエステル100% | ☆☆☆☆☆ | 非推奨 |
シルク
肌触りの滑らかさと暖かさでシルクは理想的な素材ながら、価格は高級です。
羽毛の種類
マザーグース
メリット
ダウンボールが大きく、最も軽くて暖かい。
デメリット
高価。
グース
メリット
ダックよりダウンボールが大きく、暖かさと価格のバランスが取れている。
デメリット
ダックより高価。
ダック
メリット
価格が安い。
デメリット
ダウンボールが小さく、布団の嵩を出すと重くなる。
ダウンパワー
ダウンパワーとは、羽毛1gあたりの体積を意味し、ダウンの膨らむ性能をdp(cm3/g)という記号で数値化したものです。
日本で流通している多くの羽毛布団のダウンパワーは300dp以上。400dp以上は高級品、430dp以上は最高級品とされます。
ダウンパワーの選択
冬でも比較的、暖かいマンションや高気密高断熱住宅にお住いの方でしたら、ダウンパワーは380dpが目安となります。そして、冬季の朝、室温が10℃未満でしたら400dp以上がおすすめです。
ダウン率
羽毛布団
羽毛布団の品質表示タグに「ダウン90%、フェザー10%」という表示があります。これは、詰めもの全体の90%がダウン、残り10%がフェザーを使用しているという意味。
ダウンの割合が50%以上の布団を「羽毛布団」と呼びます。
羽毛布団の製造過程でどうしてもフェザーが混入するため、ダウン100%の製品は存在しません。高品質な羽毛布団でも、ダウンの割合は99%が最高です。
羽根布団
布団の詰めもの全体の50%以上がフェザーの場合、「羽根布団」と呼びます。羽根布団は羽毛と比べて重く、保温性が低下します。
羽毛布団の購入は店舗 or ネット?
羽毛布団は店舗での購入をおすすめします。
この理由として、生地の肌触りや羽毛布団のダウンパワーと重量感は実際、手に取ってみないと分からないからです。また、羽毛布団の生地の色味は現物とネットの写真では異なります。
羽毛布団は安価ではないため、納得できる製品を選びたいものです。
先述したとおり、羽毛布団選びで最初にチェックしたいのは、側生地の種類。
いくらダウン率とダウンパワーが高い羽毛布団でも、側生地がポリエステル生地では、どうしても睡眠中の蒸れが気になります。側生地は「綿」がベストです。
西川の羽毛布団
寝具の大手といえば、西川。1566年に創業の西川は多くの日本人に親しみのあるブランドです。あたかもインテリアのサンゲツの布団版のような会社です。
西川は寝具の老舗で高級品というイメージがあるかもしれません。
ところが、シングル羽毛掛け布団(肌掛け)は15,000円(税別)から用意されています。他方、西川らしいシングル羽毛掛け布団のプレミアムモデルは2,800,000円(税別)!
西川の羽毛布団は手頃な価格帯の製品であってもコストダウンが見られず、西川ブランドならではの製品づくりのプライドが伝わってきます。羽毛布団選びの中で、西川は外せないブランドです。
(出典)西川-羽毛布団
ニトリの羽毛布団
ニトリの羽毛布団は「あたたかさレベル1~レベル6」まで揃っています。ラインアップの価格帯は2千円台から5万円超まで。ニトリの羽毛布団はイケア/IKEAの製品と比べて、ラインアップの幅が広いのが特徴です。
側生地がポリエステルの羽毛布団が多いものの、中には綿を採用している製品もあります。ニトリの羽毛布団の中には、ネット通販限定商品があります。
あたたかさレベル1
ニトリの「あたたかさレベル1」の羽毛布団はダックダウンを使用。
・サイズ:シングル
・ホワイトダックダウン:50%、フェザー:50%
・ダウンパワー:229cm3/g
・側生地:ポリエステル100%
・洗濯機で洗濯:OK
(出典)ニトリネット
【コメント】
税込2,990円から販売されている「あたたかさレベル1」羽毛布団は価格相応の仕様です。
あたたかさレベル3
ニトリの「あたたかさレベル3」の羽毛布団はダウンを80%使用。
・サイズ:シングル
・ダウン:80%、フェザー:20%
・ダウンパワー:表示無し
・側生地:ポリエステル100%
・洗濯機で洗濯:OK
(出典)ニトリネット
【コメント】
税込9,990円の「あたたかさレベル3」羽毛布団はダウンを80%使用し、従来比で約40%の軽量化を実現した製品。羽毛布団の軽量化は歓迎すべきポイントながら、気になるのは側生地。価格をアップしてでも、綿の側生地を採用してほしいものです。
あたたかさレベル6
ニトリの「あたたかさレベル6」の羽毛布団の中で最高級品はグースダウンを95%使用。
・サイズ:ダブル
・ホワイトグースダウン:95%、フェザー:5%
・ダウンパワー:440cm3/g
・側生地:ポリエステル85%、綿15%
・洗濯機で洗濯:NO
(出典)ニトリネット
【コメント】
ニトリの「グースダウン95%、ダウンパワーが440cm3/g」の羽毛布団はラインアップの中で最高スペック。
しかし、側生地がポリエステル混生地なのが残念なところ。価格が税込5万円を超えるため、側生地を綿に変更すればラインアップの中で文句無しの製品となるでしょう。
※製品のラインアップと価格は変更を受ける場合があります。
IKEA/イケアの羽毛布団,羽根布団
IKEA/イケアは手頃な価格帯のフェザー掛け布団(羽根布団)とダックダウン掛け布団(羽毛布団)のラインアップを展開。IKEA/イケアの掛け布団はニトリの製品と比べて、価格設定を抑えているのが特徴です。
そして、掛け布団のカラーはオフホワイトで統一。掛け布団に好みのカバーをかぶせることで、インテリアを楽しくコーディネイトできます。
掛け布団の価格帯は4,999円のシングル羽根布団「ダックフェザー90%、ダウンダック10%、綿生地」から24,990円のシングル羽毛布団「ダックダウン:90%、ダックフェザー:10%、綿生地」まで。
(出典)IKEA/イケアオンラインストア
【コメント】
イケアの掛け布団は買いやすい価格帯を実現するためなのか、ダックダウンとダックフェザーが使われています。あと、管理人がイケアの羽毛布団と羽根布団をリサーチした限りでは、側生地が全て「綿」でした。これは、高く評価すべき点です。
なお、イケアの羽根布団と羽毛布団はドライクリーニング不可の製品が多々あります。
※製品のラインアップと価格は変更を受ける場合があります。
まとめ
羽毛布団は寿命が長く、購入頻度が少ない製品。よって、羽毛布団の商品知識が豊富な方はまずいません。そこで、正しい羽毛布団の知識を身に着けて、納得できる商品を選びたいもの。
羽毛布団を購入時にチェックしたいポイントはこちら。
・羽毛布団の側生地は綿100%がベスト
→妥協しても、側生地はポリエステル30%以下、綿70%以上
・ダウン率は90%以上
・ダウンパワーは380dp以上
・グースダウンはダックより良質
冬季の室温
冬季、日本各地の外気温は地域によって随分違いがあります。6地域と呼ばれる、関東から中部、近畿、四国、九州地方の平野部は比較的、温暖な地域。
マンションの中部屋やUA値とC値が優れている高気密高断熱住宅でしたら、冬の朝、部屋の温度計が10℃以上を示している部屋があると思います。
他方、築20年以上経過している特に一戸建て住宅は、朝の室温が10℃以下の建物がかなり多いと思われます。1990年代までに建てられた一戸建て住宅は断熱性能と気密性能が劣る家が多く、冬季の寒さが気になる住人が多いのです。
冬季、家が冷える大きな原因は「窓」。窓は建物の中で弱点であり、最も断熱性能が低い場所です。
冷気で冷やされた窓とサッシが室内を冷やします。同時に、暖房器具で暖められた室内の遠赤外線(熱)が窓からどんどん逃げています。
そこで、コスパの高い部屋の寒さ対策として、窓ガラスにガラスフィルムを施工する方法があります。
[窓]+ガラスフィルムで断熱対策
具体的には、冬季の寒さ対策として、窓ガラスの内側(室内側)に「遮熱断熱フィルム」を施工します。
遮熱断熱フィルムで窓の断熱性能がアップするため、暖房器具で暖められた室内の遠赤外線(熱)を閉じ込める効果があります。そして、遮熱断熱フィルムは夏季の暑い日射熱を大幅にカットします。
1粒で2度おいしいとも言えるダブル効果で、夏はより涼しく、冬はより暖かい室内環境を整えることができます。
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