一戸建て住宅の施主にとって、家の駐車場にカーポートを設置するかどうか迷いませんか?
施主がカーポートメーカーのオフィシャルサイトを閲覧しながら、比較&検討したことのある方は1人や2人ではないはず。
郊外や住宅地の家々を眺めると、よく2台用のカーポートを見かけます。
お父さんの車はミニバンやSUV。そして、お母さんの車は軽自動車やコンパクトカーの組み合わせを多く見かけます。
もちろん、前提としてカーポートは無いよりは、設置した方が複数のメリットがあります。
しかし、敷地に2台用カーポートを設置するとなると、工事費込みで約60万円~の費用が目安。プレミアムモデルともなると、それ以上。
一戸建て住宅にお住いのあなたはカーポートがいらない派?それとも、必要派?
そこで、当ブログはカーポートの概要とメリット&デメリット、そして、カーポートが必要なのか?不要でいらないなのか?理論的に解説します。
カーポートとは?
カーポート(Carport)とは、日本語で簡易車庫。カーポートの側面に壁は無く、ガレージではありません。
カーポートの屋根が太陽の紫外線や雨、雪、鳥のフンから愛車を守ってくれます。
もちろん、カーポートの側面に壁が無いため、自動車に降り注ぐ紫外線や雨を100%防ぐことはできません。また、カーポートは春の季節の花粉や黄砂を防ぐこともできません。
あくまで、カーポートは簡易的な車庫という立ち位置です。
カーポートのメーカー
代表的なカーポートメーカー5社+カインズのカーポートをピックアップしてみました。
LIXIL
カーポートの国内シェアNo.1のLIXIL/リクシル。
YKK AP®
比較的、コスパが高いメーカーのYKK AP®。
三協アルミ
三協アルミのカーポートはデザインが秀逸なのが特徴です。
四国化成
四国化成の特徴として、業界初の後方支持デザインのカーポートが目を引きます。
直線的なフラット屋根はキューブタイプの住宅にもマッチします。
タカショー
タカショーは有名メーカーのLIXILやYKK AP、三協アルミと比較して知名度は今一つかもしれません。
タカショーの特徴として、アートポートという商品名のカーポートが目を引きます。
木目調デザインのカーポートのため、暖かみがあり、家のデザインと色によっては指名買いの商品かもしれません。
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カインズ、スタイリッシュポート
ホームセンターの雄であるカインズはオリジナル・カーポートを販売しています。オリジナルカーポートの商品名は「スタイリッシュポート」。
ホームセンターのカーポートは大丈夫?安価なカーポートはどうだろう?と心配になるかもしれません。
カーポートのようなアルミ製品を製造するためには、アルミ押出機が必要。更に、他の製造工程を担う大がかりな生産ラインも必要。カインズがそのような生産工場を所有しているとは考えにくいもの。
実は、カインズのオリジナル・カーポートはOEM品。製造元は日本の大手エクステリアメーカーです。
種類
種類 | 車1台用、2台用 |
屋根形状 | フラットスタイル、 ラウンドスタイル |
フラットスタイルはフラット屋根、ラウンドスタイルはアール屋根。
価格
カインズのカーポート、スタイリッシュポートの価格で見逃せないポイントは標準工事費込みの表示となっています。もちろん、カーポートの下にコンクリートを打つ場合、別途、要相談となります。
【1台用】
屋根形状 | 価格:円 (税込、標準工事費込) |
フラットスタイル | 138,000~ |
ラウンドスタイル | 138,000~ |
※Option:熱線吸収ポリカーボネート屋根材 +5,000円(税込)
【2台用】
屋根形状 | 価格:円 (税込、標準工事費込) |
フラットスタイル | 318,000~ |
ラウンドスタイル | 300,000~ |
※Option:熱線吸収ポリカーボネート屋根材 +10,000円(税込)
(出典)CAINZ Reform
※カーポートの仕様と価格は変更されることがあります。
カーポートの雪対策
カーポートは積雪量に応じてラインアップが充実しています。
耐積雪量20cm
関東から中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄の比較的温暖で雪の影響をあまり受けない、あるいは、まったく受けないエリアで使用できるタイプ。
耐積雪量50cm
カーポートの柱と梁がより太く、片持ちタイプは3本柱、または、6本柱で屋根を支えるタイプが多くなります。
耐積雪量100cm
多くのカーポートの屋根が0.6mm厚のスチール折板となり、極太4本柱、または、6本柱で屋根を支える構造です。
耐積雪量200cm
カーポートの屋根が0.8mm厚のスチール折板、または、ガルバリウム鋼板の折板を採用したモデルもあります。
柱と梁の強度を十分に確保した構造で雪に強く、強風時の本体の揺れを抑えるための耐風圧強度を高めたモデルです。
他に、耐積雪量30cm、150cmのモデルもあります。
屋根の形状
カーポートの屋根は大きく「アール屋根」と「フラット屋根」の2種類。
アール屋根
フラット屋根
どちらを選ぶかは好みの問題ながら、家の外観イメージを壊さない屋根タイプがおすすめ。
上の写真の家は切妻屋根に黒い外壁。家全体の佇まいから、フラット屋根&ブラックのカーポートが上手く溶け込んでいます。
屋根の素材
カーポートの屋根の素材は大きく4種類。
・ポリカーボネート
・FRP
・アルミ
・スチール
・ガルバリウム鋼板
柱の素材
カーポートの柱の素材は2種類。
・アルミ
・スチール
カーポートの価格
1台用
カーポート本体価格:200,000~600,000円
2台用
人気の高いカーポートは2台用。
4本柱タイプ
カーポート本体価格:400,000~2,000,000円
2本柱片持ちタイプ
カーポート本体価格:700,000~1,600,000円
2本柱片持ちタイプのカーポートは駐車しやすいメリットがあります。その反面、2本柱で屋根を支える構造上、風雪に耐えるための頑丈な構造から、コストが高くなります。
カーポートの設置工事費用
カーポートは専門業者による設置工事が必要です。カーポートの設置工事費用の目安は次のとおり。
1台用
工事費:40,000~60,000円
2台用
・4本柱タイプの設置工事費:80,000~100,000円
・2本柱タイプの設置工事費:120,000~160,000円
2本柱タイプは別途、基礎工事が必要となるため、工事費が割高になります。
カーポートのメリット、デメリット
メリット
・紫外線、雨、雪、鳥のフンから愛車を守ってくれる。
(雪国では、車の雪下ろしが不要。)
・雨天時、車の乗り降りが便利。
・雨天時の屋外作業が便利。
・自動車の塗装が長持ち。
・ポリカーボネートの屋根は驚くほど長寿命。
・カーポート床のコンクリートが黒く汚れない。
外構工事で家の敷地にコンクリートを打つと、年数経過と共に表面が黒ずんできます。その点、カーポート下のコンクリートは20年、30年経過してもほとんど変化がありません。
デメリット
・ガレージのように紫外線と雨を完全にカットできない。
・春の季節、車に花粉と黄砂が堆積する。
・安価なカーポートは強度が低く、台風で破損するリスク有り。
(特に、2本柱片持ちタイプ)
・家の外観を邪魔する。
・外構工事の中で高額。
カーポートは必要?不要?
一戸建て住宅にカーポートが必要なのか、それとも不要なのかは、住人のライフスタイルと愛車に対する考え方、そして、居住地によります。
あなたはカーポートが必要派ですか?それとも、不要派でいらないですか?
カーポート必要派
次の複数に該当する方は、カーポートが必要かもしれません。
・愛車の運転は週末のみ
平日、公共交通機関を利用して通勤している方にとって、愛車はいつも自宅で駐車中。となりますと、カーポートを設置すれば、紫外線や雨、鳥のフンから愛車を守ることができます。
・雨の日、車の乗降時の利便性を求める
雨天時、カーポートがあると、車への乗降と荷物の出し入れがとても便利です。
・愛車に愛着がある
愛車に対して愛着があり、なるべく車が紫外線や雨、雪の影響を受けないようにしたい方。
特に、旧車を愛するオーナーにとって、愛車の塗装コンディションが気になるのではないでしょうか?
・愛車の色がソリッド系
ソリッドカラーと呼ばれる赤、黄色、緑、青などの車体色は紫外線の影響を受けやすく、色褪せなどの劣化が進みやすい傾向があります。
そこで、自宅にカーポートを設置すれば、塗装の色褪せの進行を遅らせることができます。
・DIY派の方
愛車やバイク、自転車の整備に余念がないDIY派にとって、カーポートがあると何かと便利。雨や雪の日でもDIY作業OK。
・雪国在住の方
自宅に耐積雪量が100~200cmに対応するカーポートを設置すれば、毎朝の雪下ろし作業から解放されます。
カーポートは不要でいらない派
次の複数に該当する方は、カーポートは不要でいらない派かもしれません。
・自動車通勤の方
自動車通勤の方の愛車は日中、勤め先の駐車場で青空駐車となります。(職場において、屋根付きや立体駐車場に駐車する方は少数派。)
よって、愛車は日中、紫外線を浴び続けます。そして、夕方、帰宅してから翌日の朝まで、愛車は紫外線の影響をほとんど受けません。
となりますと、自動車通勤の方が自宅にカーポートを設置しても、愛車の紫外線対策の効果は微妙かもしれません。
自動車通勤の方がカーポートを設置して得られるメリットはこちら。
・休日、愛車が紫外線や雨、雪の影響を受けにくくなる。
・雨天時、車の乗降が便利。
・雨天時、荷物の出し入れが便利。
・降雪時の雪下ろしが不要。
・5年以内に車を買い替える方
自動車の塗装の耐久性は明らかに向上しています。新車購入から5年程度では、ボディ塗装の色褪せや劣化はほとんど見られません。
新車購入後、5年以内に買い替えていくオーナーであれば、ボディが受ける紫外線の影響はほとんど考える必要はありません。
・車は道具と考えている方
車は単なる移動手段の道具と考えている方は、特にカーポートの必要性を感じないかもしれません。
・ガレージを求める方
カーポートは簡易車庫。カーポートは紫外線や雨、花粉、黄砂から完全に車を守ってくれるわけではありません。より理想的な環境で車を保管したい場合、ガレージの設置が視野に入ります。
・家が北向きの場合
家が北向きで家の北側に愛車を駐車する場合、家の大きな影が車を覆います。よって、愛車が紫外線の影響を受けにくくなります。
なお、6月の夏至(げし)から夏にかけては太陽高度が高く、駐車方法によっては車体に直射日光が当たります。
・家のファサードに拘る方
カーポートは立体的かつ大きく場所を占有するため、家の外構の中で非常に目立ちます。カーポートの設置場所によっては、カーポートが家の存在を邪魔します。
家のファサード(※)に拘り、家のデザインを邪魔するような外構に違和感を抱く方にとって、カーポートは不要かもしれません。
(※)ファサード:建物を正面から見た時のデザインを意味します。
まとめ
家の敷地にカーポートを設置すると、確かに車に優しく、カーライフが便利になります。しかし、カーポートは一戸建て住宅の必需品とまでは言い切れない側面もあります。
カーポートは嗜好品的な要素も併せ持ちます。
よって、当ブログの管理人はカーポートは必要なのか、不要なのか結論を出すことはできません。
ただ、管理人の個人的かつ長期的な見解として、自宅の駐車場にカーポートを設置する方が愛車の塗装が明らかに劣化しにくいと実感しています。
カーポートは外構工事の中の1つのため、「お好みでどうぞ!」という製品。
カーポートの設置工事は外構工事の中で高額な部類に入ります。じっくり検討して、後悔のない選択をしたいものです。
夏の暑さ対策、冬の寒さ対策
建物の中で一番、断熱性能が低い場所は「窓」。
サッシにペアガラスやトリプルガラスがセットされていても、家の床、外壁、屋根よりは断熱性能が低いのです。
どうしても窓から熱が流入、流出するため、夏は暑く、冬は寒くなる原因となります。
そこで、家の弱点である「窓」の性能を上げる方法として、窓ガラスフィルムが最も効果的だと考えられています。
具体的には、窓に「遮熱フィルム」または「遮熱断熱フィルム」を貼り付けます。
夏の暑さ対策
窓に「遮熱フィルム」を施工すると、窓から室内に流入する日射熱を「34%~最大71%」カットできます。詳細はこちら。
夏の暑さ対策&冬の寒さ対策
窓に「遮熱断熱フィルム」を施工すると、 窓から室内に流入する日射熱を「42%~最大59%」カットできます。
更に、窓の断熱性能が「約24~30%」アップ。詳細はこちら。
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