もはや、日本の夏季は真夏日の記録が夏の風物詩となっています。外気温30℃の真夏日を超えて、35℃以上の猛暑日が普通に日本各地で記録されています。
異常な夏の暑さを記録する日本において、エアコンは必須の住宅設備。エアコンは熱中症対策はもちろんのこと、もはや私たちの生命維持装置としてマストな存在。
あなたの部屋のエアコンに以下のような不満や悩みはありませんか?
・夏はエアコン冷房が効く。
・冬はエアコン暖房が効かない、あるいは、効きが悪くて部屋が暖まらない。
以上のようなケースが多々あると思います。
これには、複数の原因が考えられます。では、複数の原因の中で根本的な理由と対策を解説します。
エアコンの暖房が効かない原因
考えられるエアコン暖房が効かない原因と対策を挙げてみます。
・エアコンの設定温度が低い
→ 設定温度を20℃にする。
・風量が[弱]になっている
→ 風量は[自動]に設定する。
・風向の設定が水平になっている
→ 風向は[自動]または[下向き]に設定する。
・エアコンフィルターの汚れ
→ エアコンフィルターの清掃で解決
・エアコン室外機に板状のゴミが付着
→ ゴミを取り除いて解決
・エアコンの寿命
→ エアコンの寿命は平均13年前後。エアコンの買い替えで解決。
・エアコン室内機、あるいは、室外機の故障
→ エアコンの修理、または、買い替えで解決。
・建物の断熱性と気密性が低い
→ 対策は、後ほど解説。
夏と冬のエアコンを比較
夏
夏季のとある日の外気温を35℃とします。日中、アスファルトの上は50~60℃に達し、とても人が歩き続けることはできません。
このような猛暑日を記録する日、エアコン冷房の温度設定を28℃とします。エアコンの運転前は次のデータとします。
A | 外気温 | 35℃ |
B | 室温 | 35℃ |
C | エアコン設定温度 | 28℃ |
– | 温度差(C-B) | -7℃ |
外気温、室温とエアコン設定温度の差は「7℃」。エアコンは室内を除湿しながら、室温を「7℃」下げればいいのです。
冬
冬季、太平洋側の比較的温暖な6地域の朝の気温を「3℃」とします。エアコン暖房の設定温度は「20℃」とします。エアコンの運転前は次のデータとします。
A | 外気温 | 3℃ |
B | 室温 | 10℃ |
C | エアコン設定温度 | 20℃ |
– | 温度差(C-B) | +10℃ |
– | 温度差(C-A) | +17℃ |
室温とエアコン設定温度の差は「10℃」。外気温とエアコン設定温度の差は「17℃」。エアコンは室温を「10℃」、外気温に対して「17℃」も上げなければならないのです。
よって、エアコン暖房中、室外機のヒートポンプがフル稼働して室内機のファンを回し、温風を出します。エアコンにとって、暖房は大変な仕事。
エアコン暖房は冷房より本体の負荷が大きく、それだけ消費電力が高まります。よって、エアコン暖房は冷房より電気代が高くなる傾向があります。
マンションと一戸建てのエアコンを比較
マンション
RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のマンションは構造上、気密性が高く、古い木造住宅のように外から室内に隙間風が入ってきません。
しかも、マンションの(※)中住戸の部屋は上下左右が各部屋で囲まれています。各住戸で夏はエアコン冷房、冬はエアコン暖房を使うため、その熱が躯体であるコンクリートに伝わります。
よって、マンションの中住戸の場合、夏はエアコン冷房で涼しく、冬はエアコン暖房で問題無く部屋が暖まるのです。
一戸建て
一戸建て住宅は大きく、木造、S造(軽量鉄骨造)、RC造の3種類。この3種の中で、木造とS造の「気密性」と「断熱性」は設計と施工次第で大きく差が出ます。
高気密高断熱住宅は各部の隙間が少なく、冷房も暖房もバッチリ効く自動車のようなもの。
対する低気密低断熱住宅は、各部の隙間が多く、冷房と暖房の効きが今一つの自動車のようなもの。
特に1990年代までに建てられた木造とS造は気密性と断熱性が低い傾向があり、設置されている窓は「単板ガラス+アルミサッシ」がほとんど。
古い一戸建て住宅の多くは、以下3つの問題を抱えている傾向があります。
・低い気密性
・低い断熱性
・低い窓の性能
エアコン暖房の温風吹き出し温度は40~50℃ほど。家が低気密低断熱で窓の性能が低いと、エアコン暖房が効かない、あるいは、効きが弱く感じてしまうのです。
エアコン暖房の効きが悪いと、「エアコン暖房は効かない!」とレッテルを貼られてしまい、石油ファンヒーターを使っている家庭も多いと思われます。
これは、エアコン暖房の効きが悪いというより、家の性能が低いため、エアコン暖房が上手く部屋を空調しにくいと言い換えた方が適切です。
昔の家は性能が低かったため、エアコンの「暖房」機能は世間からいじめられ役の立場だったのです。
マンションと一戸建ての断熱対策
1990年代までに建てられたRC造やSRC造のマンションは今と同様、気密性が高い建物。ただ、当時の建物の多くは「単板ガラス+アルミサッシ」の窓が設置されています。
そして、先述のように1990年代までに建てられた一戸建て住宅の多くは「単板ガラス+アルミサッシ」の窓が設置されています。
建物の床、壁、屋根(天井)の中で、最も断熱性能が低い場所は「窓」。「トリプルガラス+樹脂サッシ」であっても、その熱貫流率(断熱性能)は床や壁、屋根のそれに及ばないのです。
ここで、建物の暖房と窓の関係を「急須と茶碗」に置き換えてみます。
建物の暖房と窓の関係
・急須 = エアコン暖房
・茶碗 = 部屋
・茶碗のひび割れ = 窓
急須で茶碗に温かいお茶を注いでいるのに、茶碗のひび割れからお茶がじゃんじゃん漏れています。
つまり、建物に断熱性能が低い窓が設置されていると、エアコン暖房の効率が低下します。
エアコン暖房の効きが悪い原因
エアコンがフルパワーで温風を出す
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部屋を暖める
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窓から熱(遠赤外線)が外へじゃんじゃん漏れる!
同時に、冷気で冷やされた窓が室温を下げる。
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エアコン暖房の効きが悪い…
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電気代が高くなる
家計の中にザルがあると、一生懸命働いて稼いでも、お金がジャラジャラと出ていき、お金が溜まらないのと似ています。
では、どうすればお金が貯まるのでしょうか?
→ 「ザルの穴を塞げばいいのです。」
窓の断熱性能を上げる方法
繰り返しとなりますけど、建物の中で一番断熱性能が低い場所は「窓」。そこで、窓の断熱性能を上げることで、エアコン暖房の熱が外へ逃げにくくなります。
具体的な方法として、窓ガラスに「ガラスフィルム」を施工します。部屋の熱が外へ逃げにくくするためのフィルムを窓に貼り付けるのです。
遮熱断熱フィルムで窓の断熱対策
ガラスフィルムの中で窓の断熱性能を高めるためには、窓に「遮熱断熱フィルム」を施工します。
遮熱断熱フィルムは夏季、眩しくて暑い日射熱をカットし、エアコン冷房の効率がアップします。そして、冬季、窓の断熱性能がアップするため、エアコン暖房の効率がアップします。
結果的に、夏と冬の節電効果が得られます。
特徴
・夏季、室内の暑さを和らげて、エアコン冷房の効率アップ
・夏季、室内の眩しさ、西日の眩しさをカット(ミラー系)
・冬季、室内がより暖かく、暖房器具の効率アップ
・夏と冬の節電対策
・99%以上、紫外線カット
・ガラス飛散防止
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一石六鳥の効果
遮熱断熱フィルムの詳細は関連記事をご参照ください。
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