誰もが不快に感じる「西日」の眩しさと暑さ。特に、夏季の西日は厳しく、眩しさと暑さが身にこたえます。
眩しい、暑い西日対策として、建物の西向きの窓ガラス内側に「ブラインド」や「カーテン」の設置、そして、外側に「サンシェード」や「すだれ」、「よしず」などの設置が一般的。
しかし、マンションの西日対策として、窓の外側にサンシェードなどの設置は不可能です。よって、マンションの窓ガラスの内側に「ブラインド」や「カーテン」などの設置が一般的となります。
特に、高層マンションやタワーマンションの高層階の場合、西日がダイレクトに部屋に入ってくるため、何らかの西日対策に迫られます。
しかし、窓ガラスの内側や外側に西日を遮る「物」を設置すると、室内からの眺望が「物」によって遮られてしまい、同時に室内が暗くなってしまうデメリットがあります。
では、西日の問題点と生活への影響、そして、効果的に眩しさと暑さをカットできる西日対策について解説します。
暑く眩しい西日
夏季、特に西側の窓ガラスから差し込む西日は眩しく、暑さを助長させます。そして、冬季の西日は暖かさを感じるものの、夏季と同等かそれ以上に眩しさを感じます。
多くの人が不快に感じることが多い「西日」は室内環境を悪化させます。
なぜ西日は不快?
清々しい朝日
季節を問わず、私たちは朝日を浴びると清々しい気持ちになります。犬の散歩などで朝日を浴びながら、一日の始まりにスイッチが入る方もいることでしょう。
朝は一日の中で一番、外気温が下がっています。朝日は夕日と同様に眩しいものの、夏を除いてあまり暑さを感じません。
夏季の暑く眩しい西日
西日が部屋に差し込むと、一年を通して眩しく感じます。
夏季、外気温のピークは14:00頃。日射熱により、地面と地表の空気が最も熱を持つ時間帯。そして、夕方、オレンジ色の眩しい西日が窓ガラスを通して室内に入ってきます。
決して、日射熱が夕方の時間帯に増加するわけではありません。
夕方、太陽が位置する角度が低いため、太陽光が視界に入り、室内の奥まで太陽光が入り込みます。よって、夏季は感覚的に西日を暑く感じてしまうのです。
また、夏季は暑さで体力が奪われるため、夕方の西日が体に厳しく感じるという意見もあります。
西日の生活への影響
肌への負担増
夕方、西日が浅い角度から室内に入り込んでくるため、建物内の人は紫外線を浴びやすくなります。
紫外線に含まれる紫外線A波(UV-A)と紫外線B波(UV-B)は日焼けや肌のシミやシワ、たるみの原因になります。
エアコン負荷増
夏季、エアコンが最も高負荷で運転する時間帯は12:00~15:00の間。
浅い角度からじりじりと照りつける西日も室温を上昇させます。西日の影響を受ける部屋はエアコンの負荷が高まります。よって、電気代の増加に直結します。
対する、冬季の西日は同様に眩しいものの、日射熱が部屋を暖めてくれます。
床やカーペット,家具,調度品の色褪せ、劣化
物の色褪せや劣化の大きな原因は太陽の紫外線と考えられています。
一例として、外で使用するバケツなどのプラスチック製品は室内使用より、明らかに劣化が早く進みます。これは、プラスチック製品が屋外でダイレクトに紫外線の影響を受けているからです。
夕方、浅い角度から室内に入り込む西日は室内のフローリングやカーペット、畳、壁紙、家具、調度品、絵画などに悪影響を及ぼします。
内装部材や家具、調度品、絵画などの色褪せによる退色、劣化の大きな原因は紫外線なのです。
二度と購入できない大切な絵画が紫外線の影響で色褪せて退色してしまったら、もはや元に戻すことができません。
窓ガラスフィルムで西日対策
冒頭で申し上げたとおり、一般的な西日対策として、窓ガラスの内側や外側に太陽光を遮るブラインド、カーテン、サンシェード、よしず、すだれなどの「物」を設置します。
確かに「物」による西日対策は効果があります。しかし、従来の西日対策は無視できないデメリットもあります。
従来の西日対策のデメリット
・眺望の悪化、あるいは、視界がゼロに。
・部屋が暗くなってしまう。
・サンシェードやすだれは台風や強風に弱い。
・冬季は窓際に設置した「物」により部屋が寒くなる。
夏季は西日の暑い日射熱を和らげ、冬季は室内に日射熱を入れることで、1年を通して快適な室内環境を整えることができます。
そこで、従来の西日対策のデメリットを解決するために、窓ガラスに「遮熱タイプ」のガラスフィルムを施工する方法が最も効果的だと考えられています。
西日対策の遮熱フィルム
3mm透明フロートガラス(普通のガラス)の遮蔽係数(しゃへいけいすう)は「1.0」。
各ガラスフィルムには遮蔽係数が与えられ、ほとんどが「1.0以下」。遮蔽係数の値が小さいほど、遮熱効果が高くなります。つまり、日射熱の流入量を抑制するという意味です。
一例として、遮熱フィルムの中で、ほぼ透明で遮蔽係数が「0.55」という製品があります。
1 – 0.55 = 0.45
3mm透明フロートガラスに遮熱フィルムを施工すると、日射熱の流入量を「45%」カットできる計算になります。
ここで数値だけでは「遮熱」のイメージがなかなか湧かないと思います。そこで、当店はプレゼン用の「遮熱フィルム体感キット」をご用意しています。
遮熱フィルム体感キット
遮熱フィルム体感キットに、2枚の「5mmフロートガラス(普通のガラス)」と2個の「40W白熱電球」がセットされています。
40Wの白熱電球は「太陽」、フロートガラスは「家の窓ガラス」に置き換えてイメージしてください。
【Before】はフロートガラスのみ。
【After】はフロートガラスに3MTM遮熱フィルムNANO80Sを施工済み。
左右のフロートガラスに手を近づけると、明らかに手に伝わってくる熱の違いを体感できます。
Before
【Before】は5mmフロートガラスのみ。3MTM遮熱ガラスフィルムNANO80Sは未施工。
ガラスに手をかざすと、40W白熱電球の熱がガラスを通して伝わってきます。
After
【After】は5mmフロートガラスに3MTM遮熱ガラスフィルムNANO80Sを施工済み。
ガラスに手をかざすと、40W白熱電球の熱がBeforeほどは伝わってきません。
しっかり採光、しっかり遮熱
3MTMの白熱電球を用いたテストでは、「フィルム無し」と「NANO80S施工済み」ガラスを比較すると、最大の温度差は「7.3℃」。
遮熱フィルムが遠赤外線をカットしている証拠がこれです。
3MTM遮熱ガラスフィルムNANO80Sはバランスがいいフィルム。
実際、窓ガラスに3MTM NANO80Sを施工後、室内の明るさまったくと言っていいほど変わりません。
つまり、3MTM NANO80Sは部屋の明るさをきちんと確保しながらも、太陽光/西日の日射熱を抑制できる性能を持っているということになります。
3MTM、遮熱フィルム
3MTMは遮熱フィルムのラインアップが充実しています。
遮熱フィルムの特徴として、可視光線透過率が低いフィルムほど、遮熱効果が高くなります。
遮熱NANOシリーズ
NANO40S
NANO40SはNanoシリーズの中で最も遮熱効果が高く、眩しさを軽減できる遮熱ガラスフィルム。
可視光線透過率 | 39% |
遮蔽係数 | 0.49 |
熱貫流率(W/m2K) | 5.6 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★★★ |
NANO40Sを施工後、透明フロートガラスと比較してフィルムの色が分かります。
NANO70S
NANO70SはNANO40Sの次に遮熱効果が得られる遮熱ガラスフィルム。
可視光線透過率 | 69% |
遮蔽係数 | 0.61 |
熱貫流率(W/m2K) | 5.6 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★★☆ |
NANO70Sを施工後、部屋の暗さはほとんど感じません。
NANO80S
NANO80SはNanoシリーズの中で一番バランスが良く、遮熱性能と透明性が両立している遮熱ガラスフィルム。
可視光線透過率 | 81% |
遮蔽係数 | 0.65 |
熱貫流率(W/m2K) | 5.7 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★☆☆ |
NANO80Sを施工後、部屋の明るさは変わりません。
NANO90S
NANO90SはNANO80Sよりフィルムの透明度が高く、色味を変えたくない窓ガラスに施工する場合があります。
可視光線透過率 | 88% |
遮蔽係数 | 0.80 |
熱貫流率(W/m2K) | 6.1 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★☆☆ |
NANO90Sを施工後、部屋の明るさは不変です。
遮熱スモーク、クリア
スモーク35、スモーク20、スモーク5、IR65、ニュートラル70、ニュートラル50、ピュアリフレ87、ピュアリフレ75
遮熱ミラー
ニュートラル35、ニュートラル20、シルバー18、ライトニッケル50、アンバー35、シルバー35
遮熱プライバシー
NV35, NV25, NV15, シルバースモーク20、シルバースモーク5、シルバーブルー10、シルバーグリーン15、ニュートラルグリーン30
グラフィル/GLAFIL、遮熱フィルム
よりコスパの高い遮熱フィルムとして、マーケットニーズに特化したグラフィル/GLAFILが挙げられます。グラフィルの遮熱フィルムは4種類のラインアップで構成されています。
シルバー遮熱フィルム
シルバー遮熱フィルムは遮熱効果が高められているガラスフィルム。
シルバー遮熱フィルムRSP15
シルバー遮熱フィルムRSP15の遮蔽係数は「0.23」。RSP15は日射熱を「77%」カットできます。RSP15は遮熱フィルムの中でトップクラスの遮蔽性能を持っています。
遮熱フィルムRSP15はグラフィルのラインアップの中で最強の西日対策フィルム。
可視光線透過率 | 13% |
遮蔽係数 | 0.23 |
熱貫流率(W/m2K) | 5.5 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★★★ |
シルバー遮熱フィルムRSP35
シルバー遮熱フィルムRSP35はRSP15より色味が薄いフィルム。RSP35は日射熱を「57%」カットできます。
窓にRSP35を施工後、ガラスに色が付いて見えるものの、室内の暗さはほどんど感じません。
可視光線透過率 | 35% |
遮蔽係数 | 0.43 |
熱貫流率(W/m2K) | 5.6 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★★★ |
クリア遮熱フィルム
クリア遮熱フィルムは遮熱効果とよりクリアな視界を求めるニーズにマッチするガラスフィルム。
クリア遮熱フィルムNS60
クリア遮熱フィルムNS60は日射熱を「45%」カットできます。
窓にNS60を施工後、ガラスに若干の色が付く程度。クリアな視界を確保できます。
可視光線透過率 | 63% |
遮蔽係数 | 0.55 |
熱貫流率(W/m2K) | 5.5 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★★☆ |
クリア遮熱フィルムNS70
クリア遮熱フィルムNS70は日射熱を「33%」カットできます。
窓にNS70を施工後、ガラスにわずかな色が付く程度。クリアな視界を確保できます。
可視光線透過率 | 70% |
遮蔽係数 | 0.67 |
熱貫流率(W/m2K) | 5.5 |
紫外線カット率 | 99%以上 |
日射調整効果 | ★★☆ |
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西日対策のまとめ
あらゆる西日対策の中で、窓ガラスに「遮熱フィルム」の施工が最も効果的であると考えられています。
その理由として、各種遮熱フィルムには「遮蔽係数」という値が与えられているため、理論的で遮熱効果が確実なのです。
特に、グラフィルのシルバー遮熱フィルムRSP15は日射熱を「77%」カットできるため、最強クラスの遮熱性能となります。
西日対策のまとめとして、遮熱フィルムは以下のメリットがあります。
・日射熱を最大「77%」カット
・エアコン効率アップ&節電効果
・西日の眩しさを和らげる
・クリアな視界、眺望
・紫外線を99%以上カット
・台風上陸時、飛来物によるガラス飛散防止
遮熱フィルムで確実な西日の遮熱効果が得られ、紫外線カットとガラス飛散防止機能が自動的に付いてくるのは嬉しいですね。
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