なぜ黒い外壁で軒のない家&庇のない家で失敗して後悔する?暑さ対策

黒い外壁の家 窓ガラスフィルム-ブログ
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近年、黒い外壁の家を見かけることがありませんか?

当ブログの管理人が車を運転中、黒い外壁の家が視界に入ると、一瞬、目を奪われてしまいます。

黒色には高級感、威厳、重厚、モダン、フォーマル、大人っぽい、などのイメージがあります。

高級車のボディカラーは今も昔も「黒」が定番。政治家や大企業の経営者が乗る自動車は「黒」一色。

そして、軒(のき)と庇(ひさし)のない新築住宅を見かけませんか?

総2階の一戸建て住宅を眺めると、「軒ゼロ住宅」と呼ばれる軒のない家や庇のない家で、立方体や直方体の家を見かけることがあります。

このようなキューブ型の住宅は一定の人気を集めていて、住宅業界のトレンド。

当ブログ記事のテーマは「黒い外壁で軒のない家&庇のない家」。

一見、黒い外壁で軒と庇がない家は人目を引き、「ハッ」とさせるモダンな雰囲気を醸し出しています。

しかし、黒い外壁で軒と庇のない家は複数の問題を抱えている家の1つに入ります。

では、黒い外壁で軒と庇のない家の問題点と住人の方の悩みを解決する対策を解説します。

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黒い外壁の家の問題点

身近な自動車を例に挙げてみます。

夏季、ボディーカラーが「黒」と「白」の自動車を比較すると、どちらの車内の方が暑いでしょうか?なんとなく、経験と感で分かると思います。

黒は可視光線をほとんど吸収する色のため、黒に見えるのです。そして、黒の反対色である白は可視光線を反射します。よって、白に見えるのです。

この違いを分かりやすく理解するためには、JAFのテストデータが参考になります。

黒い車と白い車が直射日光を受けると、温度変化にどのような違いが出るのか?JAFがテストを実施しています。

JAFユーザーテスト

2012年8月に実施されたJAFのユーザーテストの内容は、黒と白い自動車を炎天下に放置し、室内と車体の温度変化を記録しています。

炎天下に黒いミニバンを放置

車内温度と車体温度
車内温度51℃(平均)57℃(最高)
車体
(ルーフ)
49℃(平均)63℃(最高)

炎天下に白いミニバンを放置

車内温度と車体温度
車内温度47℃(平均)52℃(最高)
車体
(ルーフ)
42℃(平均)47℃(最高)
黒と白のミニバンの温度差を比較

黒と白いミニバンを比較すると、車内温度と車体温度に無視できない差が確認できます。

最高の車内温度を比較

・黒いミニバンの最高、車内温度は「57℃」

・白いミニバンの最高、車内温度は「52℃」

「5℃」の違いが記録されました。

そして、

最高の車体温度を比較

・黒いミニバンの最高、車体温度は「63℃」

・白いミニバンの最高、車体温度は「47℃」

「16℃」の違いが記録されました。

夏季、素手で黒い車を触ったら、ヤケドしてしまう温度。

以上のテスト内容から、明らかに黒い自動車の方が車内と車体共に高熱を帯びるのです。それにしても、車体温度が16℃も違うのは驚きです。

黒い家の場合

JAFのテスト結果は家と関係性があります。

もちろん、自動車と家の色を同列で比較することはできませんし、自動車には家のような断熱材がぎっしりと使われているわけではありません。

日射反射率

日射反射率は色によって、無視できない違いがあります。以下は、各色の日射反射率。

・ブラック:44%

・アイボリー:62%

・ホワイト:69%

(出典)日鉄住金鋼板株式会社ニスクカラーSGLガルバリウム鋼板PDF資料

夏季、黒い外壁の家は白い外壁の家より、外壁と室内が共に熱を持ちやすくなります。

いくら高気密高断熱の家であっても、黒い外壁は日射熱の影響を受けやすくなります。外気温が30℃を超える真夏日や35℃を超える猛暑日ともなると、黒い自動車と同様、黒い外壁はかなりの熱を帯びます。

断熱性能が高いとは言い難い黒い外壁の家の場合、日射熱が断熱材を通して室内の空気を暖めてしまいます。

よって、夏季、黒い外壁の家の室内は白い家より暑くなりがち。エアコンがフル稼働し、電気代が高くなっても不思議ではありません。

軒と庇のない家の問題点

軒(のき)とは?

家の軒(のき)
軒(のき)のある家

上の写真は軒(のき)のある家。

軒は屋根の端の張り出ている部分を意味します。軒を作ることで、次のメリットがあります。

・雨漏りしにくい。

・夏季、室内への直射日光を遮る。

・雨天時は雨除けの役割を果たす。

・外壁に太陽光や雨が当たりにくくなり、外壁を守る。

軒のない家の問題点

黒い外壁の家

軒ゼロ住宅と呼ばれる、軒のない家は無視できない問題があります。

・雨漏りのリスクがある。(特に、片流れ屋根)

・夏季、窓から室内に太陽光が入り、日射熱で暑い。

・雨天時、窓が開いていると室内に雨が入り込む。

・外壁が汚れやすく、塗装の劣化が早くなる。

検索すると、軒の無い家で失敗して後悔している家主のブログ記事が散見されます。

庇(ひさし)とは?

家の庇(ひさし)
庇(ひさし)のある家

上の写真は庇(ひさし)がある家。

庇は窓や玄関、ベランダの上に張り出ている部分を意味します。庇を作ることで、次のメリットがあります。

・夏季、室内への直射日光を遮る。

・雨天時は雨除けの役割を果たす。

・外壁に太陽光や雨が当たりにくくなり、外壁を守る。

以上のように、軒と庇の役割りはほぼ同じです。

庇のない家の問題点

黒い外壁の家

・夏季、室内に太陽光が入り、日射熱により暑い。

・雨天時、窓が開いていると室内に雨が入り込む。

・外壁が汚れやすく、塗装の劣化が早くなる。

黒い外壁で軒と庇のない家のまとめ

夏季、黒い外壁で「軒」と「庇」のない家は、窓から太陽光が入って暑さが増します。軒のない家の外壁は雨の影響を受けるため汚れやすく、外壁塗装の劣化が早くなる傾向があります。

また、軒のない家は中長期的に雨漏りの可能性を否定できません。家の雨漏りの原因究明と修理は容易ではなく、補修費用が高額になる場合もあります。

このような家は住み心地がいいとは言えず、夏の電気代が高くなる傾向があります。そして将来、家のメンテナンス費用が発生する可能性があります。

お施主様が黒い外壁で軒と庇のない家を切望する場合を除き、一流の建築士は黒い外壁で軒と庇のない家を積極的に推奨しないのではないでしょうか?

ちなみに、大手ハウスメーカーの多くは家に軒を設置しています。

家に対する好みは人それぞれ。外観デザインや外壁の色は家の構成要素ながら、家づくりにおいて機能性が大切です。

当ブログの管理人は、かつて工務店で働いたことがある経験上、家づくりは機能性が第一でデザインは二番目だと考えます。

いくらデザイン性に優れた家でも、機能性に問題があるとランニングコストとメンテナンスコストが高く、住みにくい家と化します。

もし、あなたが家づくりを検討しているならば、家づくりで失敗して後悔したくないと考えているはず。黒い外壁で軒と庇のない家は、無視できないデメリットがあります。

そして、もし、あなたが黒い外壁で軒と庇のない家にお住まいでしたら、何も悲観することはありません。以下の対策で夏、より涼しい家になります。

黒い外壁で軒と庇のない家の対策

・外壁を白やアイボリーなどの淡い色で塗装する。

・窓ガラスにガラスフィルム(遮熱フィルム、または、遮熱断熱フィルム)を貼る。

窓ガラスフィルムが暑さをカット

夏の暑さの約70%は窓が原因

夏季、暑い外気熱が室内に流入

遮熱フィルムで暑さ対策

太陽光の日射熱が窓ガラスを通して室内に流入します。

夏季、日射熱が部屋を暖めるため、エアコンの負荷が高まります。これにより、エアコンの消費電力が高い状態が続き、電気代を押し上げます。

そこで対策として、窓ガラスに「遮熱フィルム」を施工する方法があります。ガラスフィルムの遮熱効果により室内がより涼しくなります。同時にエアコンの負荷が軽減し、節電に繋がります。

詳細は関連記事をご参照ください。

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遮熱断熱フィルムは遮熱フィルムに「断熱性能」がプラスされています。遮熱断熱フィルムは夏の日射熱を抑制し、冬季は室内の熱が外へ逃げにくくなります。

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