結露防止シートやフィルムを窓ガラスに貼ると効果ある?効果なし?

窓ガラスの結露 窓ガラスフィルム-ブログ
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冬季、建物の窓が諸条件によっては「結露」します。

秋から冬にかけて、ホームセンターや家具専門店に窓ガラスの結露対策グッズが並んでいます。

例えば、結露防止シート(断熱シート、結露防止フィルム)や結露防止テープなどが挙げられます。

これらは、窓の結露防止に効果があるのでしょうか?

そして、各種、結露対策グッズが豊富なため、何を選んでいいのか迷いませんか?

住宅の窓ガラスの結露は、言わば冬の風物詩。(言い換えれば、住宅設計の失敗。)しかし、結露を見て見ぬふりをするのは考えもの。

なぜなら、窓の結露が原因によるカビやダニの発生は喘息や気管支炎、アレルギー症状などの健康被害を受けるリスクが高まるからです。

また、長期的な窓の結露が続くと、建物自体への怖い悪影響が懸念されます。

そこで、なぜ家の窓ガラスが結露するのか理解することで、窓の結露対策がいくつか見えてきます。

更に、結露防止シート、結露防止テープ、結露防止フィルムなどの結露対策グッズの効果について解説します。

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なぜ窓ガラスは結露する?

結露は身近な現象。結露は空気中の水蒸気が凝縮して物に付着する現象。例えば夏、氷入りアイスコーヒーのグラス表面が結露します。

グラス表面の結露

アイスコーヒーのグラスの結露

【結露の仕組み】

氷でキンキンに冷えているアイスコーヒーがグラスを冷やす。

夏の高い外気温と湿度が原因で、空気中の水分がグラスの表面に付着。

グラス表面が結露する。

外気温と湿度が高いほど、グラスは結露しやすくなります。エアコンが効いているカフェ店内より、屋外の方がグラスが結露しやすくなります。

このグラス表面の結露を「窓ガラス」に置き換えてみると、理解しやすくなります。

窓ガラス室内側の結露

窓ガラスの結露現象

冬季、室内がエアコン暖房や石油ファンヒーター等の暖房器具で暖められます。そして、部屋が加湿器で加湿されると、窓ガラスの内側とサッシ(室内側)が結露しやすくなります。

外気温が低く、室温と部屋の湿度が高いほど、窓ガラスは結露しやすくなります。窓ガラスが結露する原理はアイスコーヒーグラスの結露と全く同じです。

窓ガラスの結露防止対策

【1】窓を開けて換気する

窓を開けて換気

窓ガラスの結露防止対策として、一番簡単で効果が高い方法は「窓を開けて換気する」こと。これは、最もカンタンで効果が高い方法。

2003年以降に建築された住宅には、24時間換気システムが標準装備されています。また、「ペアガラス+樹脂サッシ」や「Low-E複層ガラス+樹脂サッシ」を設置した住宅の増加により、窓ガラスが結露しにくくなっています。

しかし、高気密高断熱住宅でも、窓ガラスが結露しないわけではありません。そこで、窓ガラスを開けて換気すれば、外の乾燥した空気が大量に室内へ入ってきます。

ここで、せっかく部屋を暖めて加湿しているのに、もったいないと思われるかもしれません。

心配はご無用。暖まっている室内の壁や天井、床は熱を帯びています。換気後、窓を閉めれば、速やかに室内温度は元に戻ります。

寝室の換気に気を配る

住宅の中で、寝室の窓ガラスは結露しやすい傾向があります。この理由として、就寝中、人の呼気は水分を含んでいます。また、寝汗をかくことで寝具が吸収した水分が室内へ放出されます。

結露対策として、寝室の窓を開けて外気を入れることです。

【2】適切な室温設定

温度計

冬季、室内の快適な室温は「18~22℃」。環境省はエアコン暖房時の室温設定を「20℃」に推奨しています。

そして、石油ファンヒーターの設定温度を18℃前後にセットすると、室内は20℃前後に保たれます。冷たい空気は床面にたまるため、石油ファンヒーターの液晶パネルが表示する室内温度は若干低め。

人が感じる暖かさには個人差があるものの、室温を上げるほど、窓ガラスが結露しやすくなります。

【3】適切な湿度管理

湿度計

冬季、室内の快適な湿度は「40~60%」

室内の湿度は生活サイクルによって無視できないほど変動します。これは、冬のとある家庭の休日の一例。

【朝】

・炊飯器の水蒸気により湿度が上昇 ▲UP

・エアコン暖房ONで湿度が低下 ▼Down

・加湿器が効いてきて湿度が上昇 ▲UP

・料理中の水蒸気で湿度が上昇 ▲UP

【AM9:00】

・窓を開けて各部屋の掃除。湿度が低下 ▼Down

・家族でお出かけ。湿度が低下 ▼Down

【PM5:00】

・帰宅。湿度が低下状態 ▼Down

・エアコン暖房ONで湿度が低下 ▼Down

・加湿器が効いてきて湿度が上昇 ▲UP

・料理中の水蒸気で湿度が上昇 ▲UP

以上のように、室内の湿度は上下を繰り返しています。

ここで気を付けたいのは冬季、湿度の危険ゾーンは「40%以下」と「60%以上」。

危険ゾーン「湿度40%以下」

冬季、室内の湿度が「40%以下」に低下すると、呼吸器系の粘膜が乾燥しやすく、インフルエンザウイルスに感染しやすくなります。

なぜなら、室内の湿度が低下すると、ウイルスが空気中を漂うようになるため。空気が乾燥している冬、風邪をひきやすいのはこれが理由の1つです。

また、女性は乾燥した空気による肌の乾燥が気になります。

危険ゾーン「湿度60%以上」

冬季、室内の湿度が「60%以上」に上昇すると、カビやダニの繁殖を促してしまいます。

窓ガラスのサッシ部分に黒い汚れが付着しているならば、湿度が高くカビが繁殖している可能性があります。そして、ダニが好む環境は高い湿度。真夏、ダニが繁殖する大きな理由は大気中の湿度が上昇するからです。

【4】湿度計の積極的な活用

湿度計

どの家庭でも、温度計の1つや2つはあるもの。温度計が内蔵されているデジタル式置時計をよく見かけます。

しかし、湿度計を上手に活用している家庭は多くはないかもしれません。

加湿器を使用中、湿度が60%を超えたら加湿器の電源をOffに。あるいは、窓を開けて換気します。

そして、湿度が40%に近づいてきたら加湿器の電源をONに。高機能な加湿器ならば、湿度を設定することで室内が一定の湿度に保たれます。

湿度計はアナログ針タイプのものからデジタルタイプのものまで様々。特に、アナログ針タイプの湿度計はバイメタル式という製品。このタイプは年数経過により精度が低下していきます。

アナログ湿度計(バイメタル式)の寿命は数年から長くて5年ほど。エンペックス気象計株式会社のオフィシャルサイトでは、温湿度計は2~5年は使用可能と書かれています。

家の中の各湿度計が表示する湿度は結構、ばらつきがあります。いったい、どれが正しい表示なのかまるで分かりません。いつ購入したのか記憶が無い、古い湿度計は買い換えた方がいいでしょう。

結露防止シート、結露防止テープ、結露防止フィルムの効果

結露防止シート

Type1-プチプチ

結露防止シートの中で、断熱対策と結露防止を目的とした製品があります。一例として、窓ガラスに通称「プチプチ」と呼ばれるクッション材(気泡緩衝材)を貼り付ける方法があります。

このプチプチはポリエチレン素材で作られていて、2枚のシート間の空気層により断熱効果と結露防止が期待できる製品。

結露防止シートの使い方は簡単。窓ガラスにシートをペタッと貼るだけ。

当ブログの管理人は窓ガラスにプチプチを貼って試してみた経験があります。結論として、プチプチは条件によっては若干の効果はあるかな?という体感的な印象を持っています。

ただ、プチプチはお手軽グッズ的な製品のため、デメリットもあります。

弱い接着力

プチプチは窓ガラスとの接着力が弱く、長期的な耐久性は期待できません。

これは当ブログ管理人の憶測ながら、一般大衆向きの製品に強力な接着剤を使用すると、貼り付け作業が難しくなります。また、シートを剥がす際、粘着剤がガラスに残ってしまうことがあります。

一般の方では、ガラスに残った粘着剤の除去が難しく、クレームの発生原因になってしまう可能性もあります。このような理由から、意図的にシートの粘着力を弱くしているのかもしれません。

閉塞感が漂い、美観の悪化

次に、太陽光がプチプチシートを通して室内に入ってくるものの、若干、室内が暗くなり、外の様子がほどんど分からなくなります。同時に閉塞感が漂い、窓の美観も悪化します。

まさか、リビングやキッチンの掃き出し窓にプチプチを貼るわけにはいきません。人をお招きする空間の窓にプチプチの貼り付けはありえないのです。

これが、プチプチ最大のデメリット。

プチプチの用途は限定的

よって、プチプチの使用用途は限定的となります。次の条件であれば、プチプチが使えるのではないでしょうか。

・来客の目に触れない窓の断熱と目隠し対策。

Type2-結露防止シート、結露吸収シート

結露防止シートや結露吸収シートは効果がある?それとも、効果なしでしょうか?

窓ガラス用断熱シート

結露防止シートや結露吸収シートは若干、厚みのある柄入りのシート。これらは、窓の断熱性を若干高めて、結露の発生を抑制するのが目的の製品。

当ブログの管理人があなたから

「結露防止シートは効果ある?」

それとも

「効果なし?」

と問われたら、特定の条件下(室温、部屋の湿度、外気温、窓とサッシ性能の条件次第)では「効果ある」と言っていいでしょう。

ここで、誤解しないでいただきたいのは、結露防止シートは万能の結露防止品ではありません。諸条件により、やはり窓は結露します。

窓ガラスに模様付き半透明の結露防止シートを貼り付けても、状況によってはシート表面に結露が発生します。模様付の結露防止シートは半透明なため、結露が見えにくくなっているのです。

「結露防止シート」より「結露抑制シート」という商品名の方が適切かもしれません。

ここで、冷静に考えてみてください。

もし、結露防止シートで窓の結露が解決できるのであれば、この世の建築物の悩ましい結露問題は全て解決しているはず。

なお、結露の発生具合によっては、結露防止シートの表面に黒カビが発生する場合もあるため、定期的な手入れが必要です。

結露防止テープ、結露吸水テープ

結露防止テープ/結露吸水テープは結露した水を吸収し、窓枠や床への水の影響を抑えるのが目的。これは、結露を防止するのではなく、結露した水を吸収する目的の製品。

窓が結露した時、結露防止テープ/結露吸水テープが吸収できる水分量を超えると機能しなくなります。よって、サッシの下部が水浸しになることがあります。

また、テープが吸収した水が日中の日射熱で蒸発しないと、悪臭やカビの発生原因にもなります。

よって、結露防止テープは結露が軽度な窓ガラスで日中、日射熱によりテープが乾燥する環境であれば、「吸水」という意味では軽微ながら効果が期待できます。

結露防止フィルム

プロが使用する窓ガラスフィルムの中で、結露を完全に防止できるフィルムは存在しません。

プロ用、窓ガラスフィルムの中で「遮熱断熱フィルム」は窓の断熱性能を高めることができます。これは、夏の日射熱の遮熱と冬の断熱性能の向上を兼ね備えたフィルム。

要は、窓に「遮熱断熱フィルム」を貼ると、夏は涼しく、冬は暖かくなります。

「遮熱断熱フィルム」で窓の熱貫流率(U値)を下げることができ、断熱性能の向上が数値で証明されています。

窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を施工後、フィルムが熱の移動を抑制する効果があります。これにより、窓の断熱性能がアップし、結露の軽減効果はあります。

結露対策のまとめ

窓ガラスの結露が軽微であれば、各種、結露対策グッズは手軽な対策とは言えます。しかし、結露対策品で結露の根本的な解決は難しいのです。

まとめますと、どの家庭でもできる結露対策は次の3つ。

・窓を開けて換気する

・室温設定を適切にする

・湿度計を活用して、部屋の湿度を40~60%に保つ

以上でしたら、今日からできそうですね。

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