車好きやバイク好きならば、やはり、ガレージに憧れます。
ガレージ保管ならば、紫外線や風雨、砂埃、花粉から愛車やバイクを守ることができます。ご存知、自動車やバイクの塗装を劣化させる大きな原因は太陽の紫外線。
もし、あなたの愛車やバイクがガレージ保管でしたら、青空駐車場とは比較にならない違いを感じているはず。また、ガレージ保管は車上荒らしや自動車盗難のリスク対策にもなります。
しかし、自動車やバイクの窃盗団は信じられないような様々な手口で自動車やバイクを盗んでいく怖い現実があります。
窃盗グループはガレージの窓ガラスを簡単に破り、自動車を盗み出していきます。
部外者が立ち入りできないマンションの地下駐車場などは別として、この世に100%の盗難防止対策は難しいかもしれません。
盗難対策のポイントとして、窃盗犯が自動車やバイクを盗みにくい環境を整えることで、それらが防御壁となり、盗難未遂で終わる可能性が高まります。
では、自動車盗難の現状と今現在、考えられる車上荒らしや自動車盗難に対する防犯対策を考えてみます。
自動車盗難の現状
自動車盗難防止に関する官民合同プロジェクトチーム公式サイト(参照)によりますと、以下のデータが公表されています。
2019年、車種別、盗難台数と盗難率
Ranking | メーカー | 車種名 | 2019年 (上段)盗難件数 (下段)盗難率 |
1 | トヨタ | プリウス | 793 0.4 |
2 | トヨタ | ランドクルーザー | 654 2.7 |
3 | トヨタ | ハイエース | 368 0.4 |
4 | トヨタ | レクサスLS | 272 3.1 |
5 | トヨタ | アルファード | 261 0.4 |
トヨタ、ランドクルーザーとレクサスLSの盗難率が「2.7%」と「3.1%」。これらの高い盗難率が気になります。
2019年、都道府県別、自動車盗難認知件数
Ranking | 都道府県 | 盗難件数 |
1 | 茨城県 | 1,482 |
2 | 大阪府 | 952 |
3 | 千葉県 | 738 |
4 | 愛知県 | 681 |
5 | 埼玉県 | 630 |
6 | 神奈川県 | 330 |
7 | 栃木県 | 285 |
8 | 兵庫県 | 207 |
9 | 群馬県 | 179 |
10 | 岐阜県 | 141 |
– | ワースト10 合計 | 5,625 |
– | 全国 | 7,143 |
2019年、自動車盗難の駐車場所別、認知件数
場所 | 件数 | 割合(%) |
一般住宅 | 2,460 | 34.4 |
駐車場 | 2,726 | 38.1 |
道路上 | 319 | 4.4 |
その他 | 1,638 | 22.9 |
認知件数合計 | 7,143 | – |
一般住宅や駐車場で自動車盗難に遭う割合は合計「72.5%」。道路上で盗難に遭う割合は「4.4%」。
このデータから、窃盗犯は人目に付く道路上の犯行より、一般住宅や駐車場の自動車をターゲットにしています。
(参照)警視庁、犯罪発生情報
自動車盗難の実態
【1】犯罪グループが犯行に関与。
【2】ヤードなどの高い外壁で囲まれた場所に盗難車を保管。あるいは、解体される。
【3】海外へ不正輸出される。
自動車盗難の手口
・窓の隙間から細いワイヤーなどを差し込み開錠。
・ドアガラスを破壊し車両に侵入。
・特殊工具で開錠し、ステアリングロック機構を破壊してエンジン始動。
・車体下回りに隠されているキーの探索。
・建物に侵入し、キーを盗む。
・レッカー車などで強引に車両を盗む。
旧車の甘いセキュリティシステム
旧車のセキュリティシステムは甘く、イモビライザーが搭載されていません。
一例として、今や名車として君臨する日産スカイラインR32GT-Rは3分以内に盗まれてしまう可能性があります。
以下のYouTube動画はトラスト企画さんのシミュレーション動画。
旧車ブームが続く中、1980~1990年代のスポーツカーは人気を集め、流通価格が高騰しています。
走行距離が少ない上玉の旧車ともなると、中古車店で当時の新車価格を超えて500万円や1,000万円以上のプライスタグが付いています。
特に、日産スカイラインBNR32、BCNR33、BNR34 GT-R、S13&S15シルビア、AE86、A80系スープラなどの旧スポーツカーオーナーは何らかの盗難対策が必要とされています。
このような価格高騰の現象は旧車のみならず、バイクの世界でも見られます。
1960年代から1980年代に製造されたカワサキ750SS、750RS、500SS、KH250、ホンダVFR750R(RC30)、CBX400F、ドリーム750フォア、CB750F、ヤマハRZV500、XJ400、RZ250、スズキGT380、GT750、GSX1100刀などの流通価格は新車価格の2倍から10倍以上に高騰しています。
車上荒らし、自動車盗難対策
より積極的な車両の盗難対策がいくつか考えられます。なお、常識的な盗難対策が実は、無意味という場合もあります。改めて、車両の盗難対策を見直してみたいものです。
金属製のBoxにリモコンキーを保管
金属製のBox(お菓子の缶でOK)にリモコンキーを保管すると、リモコンキーが発する微弱電波が遮断されます。これにより、窃盗犯のリレーアタック対策になります。
リレーアタックとは?
【1】窃盗犯Aがスマートキーに近づき、特殊機器でスマートキーが発信している電波を受信します。
【2】窃盗犯Aが機器で受信した電波を増幅させて窃盗犯Bに送信。
【3】窃盗犯Bが持っている受信機が増幅した電波を受信。
【4】ドアロック解除
【5】エンジン始動
車内に貴重品を置かない
オーナーが車内に運転免許証や貴重品、ETCカード、金目の物を置きっぱなしにしていると、窃盗犯から目を付けられる可能性が高くなります。
当ブログの管理人は20代の頃から、車のセキュリティをてんで信用していません。最悪、愛車が盗難の被害に遭っても、困らないようにしています。
管理人の愛車の中は、いつもがらんどう状態。車内に入っているものは、車検証と点検記録簿関係の書類、懐中電灯、ブースターケーブル、牽引ロープ、洗車グッズくらい。
出先の駐車場に駐車する際、荷物は全てトランクに入れるようにしています。
人目に付く場所に駐車する
出先の駐車場に駐車する際、施設の入口に近い場所に駐車する人もいれば、ドアパンチなどを避ける目的で施設から離れた場所に駐車する人もいます。
駐車する場所はケースバイケースながら、人目に付きにくい場所に駐車すると、窃盗犯に狙われる確率が高くなります。
駐車場の敷地内で、人目に付く場所でドアパンチを受けにくい場所に駐車することで、盗難リスクを回避できます。
見知らぬ外国人を相手にしない
あなたが家の駐車場で洗車や車の手入れをしていると、見知らぬ外国人が「ふらふら~」とやって来たとしましょう。そして、外国人がフレンドリーでぎこちない日本語であなたに話しかけてきたとします。
もし、外国人があなたの愛車について、あれこれと質問してきたら相手にしないことです。
車好き同士で会話が盛り上がっても、外国人にあなたの愛車の運転席を見せるような行動は慎むべきです。
もしかして、その外国人は窃盗団の一味で、あなたの愛車を下見をしているかもしれないのです・・・
ボディーカバー
自動車を目立たなくするため、愛車にボディーカバーをかけているオーナーがいます。
しかし、窃盗犯に対してボディカバーは逆効果。
窃盗犯はボディカバー全体のシルエットを見ただけで、車種を判別するようです。
窃盗犯は目星を付けた車のドアを開けて車内に入り、ステアリングロック機構などを破壊している間、ボディカバーが室内の様子を遮ってしまいます。
ボディーカバーが紫外線から車を守ってくれるメリットはあるものの、盗難対策の効果はありません。
ハンドルロックバー
量販店などで、赤色のハンドルロックバーが販売されています。これは比較的、盗難対策に便利なグッズのような気がします。しかし、窃盗犯は工具でステアリングホイールを切断します。
あるいは、窃盗犯は予め狙いを定めた車両用のステアリングホイールを持ってきて、犯行に及ぶこともあるようです。
窃盗犯がハンドルロックバーが装着されているステアリングホイールを工具で外し、持ってきたステアリングホイールを装着するのです。
これでは、ハンドルロックバーは無力です。
ブレーキペダルロックの設置
ブレーキペダルロックとは、駐車中、ブレーキペダルを踏んでもペダルが動かないようにロックする金属製の装置。
ブレーキペダル部にブレーキペダルロックを設置し、駐車する際、ブレーキペダルをロックします。
ATやCVT、DCT車の場合、ブレーキペダルを踏まないと、エンジン始動ができない仕組み。そして、MT車の場合、エンジン始動ができても、ブレーキが効かない車両の運転は当然、不可能です。
ココセコムの利用
ココセコムとは、あの総合警備保障会社セコムが提供しているGPSを利用した位置情報サービス。
【1】車両の中にココセコムのGPS機器を取り付ける。
【2】窃盗犯が車両を動かすと、GPS機器が不正な車の移動を検知。
【3】セコムの担当者が現場へ駆けつける。(有料サービス)
料金システム
加入料金 | 4,400円 |
充電器 | 2,750円 |
月額基本料金 | 1,320円 |
位置チェック料金 (オペレーター対応) | 220円/回 |
セコムかけつけ料金 | 11,000円 |
(出典)ココセコム
ココセコムに盗難防止効果はありません。
セコムが愛車をGPSで監視し、異常発生時、担当者が有料で現場に急行してくれるものの、愛車を探し出してくれる保証はありません。
また、愛車が見つかっても、セコムの担当者が窃盗犯を取り押さえてくれるわけではありません。
ココセコムと契約していると、愛車が盗難に遭ってしまった後、リアルタイムで車両の位置を把握できます。セコムと警察との協業により、車両の解体や不正輸出を可能な限り食い止めるのが目的のサービスです。
セキュリティシステムの設置
窃盗団はリレーアタックの次の手として、コードグラバーやCANインベーダーと呼ばれる手口を使い始めています。これらの対策として、車両に高機能なセキュリティシステムの搭載が挙げられます。
窃盗犯はリスクを恐れ、大音量の警告音などを嫌うため、セキュリティシステムはそこを突く製品。
セキュリティシステムが搭載されている自動車が振動を感知したり、ドアを開けたりすると、警告音が発せられます。また、システムを追加すると、車体の傾きを感知して警告音が発せられます。
更に、高性能なセキュリティシステムならば、イグニッションがONにならない仕組みやセルモーターが回らない仕組みを組み込むことも可能。
セキュリティ性能が高い本格的なシステムを車体に組み込むとなると、相応の費用がかかるものの、より盗難防止効果が高くなります。
車種によってイモビライザーの仕組みが異なるため、詳しくは専門店で要相談となります。
ガーレージ保管のメリット
冒頭で書いたとおり、自動車やバイクの理想的な保管場所は屋根と壁で囲まれているガレージ。
ガレージの種類は大きく2つ。
・ビルトインガレージ(ガレージ付き住宅)
・独立式ガレージ(単独のガレージ)
独立式ガレージを建てる場合、木造、鉄骨造、既製品の車庫で知られているイナバ物置、ヨドコウ、タクボなどが挙げられます。
これらは全て基礎工事が必要で相応の費用がかかるものの、理想的なガレージが完成します。
自動車やバイクの車庫保管は嬉しい複数のメリットがあります。
メリット
・車が紫外線の影響を受けないため、良好な塗装コンディションを長期的にキープできる。
・紫外線によるヘッドライトの劣化を防止できる。
・雨風の影響を受けないため、ボディが汚れない。
・花粉の影響を受けない。
・洗車の回数が激減する。
・車両盗難のリスクが下がる。
・DIYの工具類や家財道具の物置としても使える。
・DIY作業がやりやすい。
ガレージ保管の場合、その安心感からオーナーの気が緩みがちになってしまうかもしれません。ところが、抜け目がない窃盗犯は悪賢く、オーナーの緩んでいる心理を見抜いています。
自動車やバイクが車庫保管であっても、盗難の被害に遭ってしまう悲しい現実があります。この場合、窃盗犯は予め、十分な下見をしている可能性が非常に高いと考えられます。
ガレージの窓ガラスに要注意
窃盗犯を含む空き巣犯の60%以上は、建物の窓から室内に侵入してきます。空き巣犯は窓ガラスが建物の弱点であることを百も承知しています。
あまり知られていない事として、空き巣犯はほとんど音を出さずに窓ガラスを割り、建物内に侵入しています。
窓によっては、黒いワイヤー入りの「網入りガラス」が使われています。網入りガラスは防犯用の強化ガラスではなく、延焼防止対策のガラス。
網入りガラスの強度は普通のガラスの60%程度。網入りガラスは空き巣犯が侵入できてしまうガラスなのです。
このように普通のガラスから網入りガラスまで、簡単に割られてしまうガラスを強化するには、窓ガラスに防犯フィルムを貼る方法があります。
防犯フィルム
窓ガラスに防犯フィルムを施工すると防犯効果が高まり、空き巣犯の侵入を妨げる効果があります。
防犯フィルム施工済みの窓ガラスを割ろうとすると、周囲に破壊音が響きます。また、防犯フィルムは簡単に突破できるようなフィルムではありません。
空き巣犯や窃盗犯は当然、リスクを避けます。
侵入に手間と時間がかかり、侵入音が出るとなると、犯行を諦める方向に心理が働きます。空き巣犯や窃盗犯は建物への侵入に「5分」以上かかると、多くが諦めると言われています。
そこで、空き巣犯や窃盗犯に対して防犯フィルムで防御し、手間を掛けさせるのです。これが防犯フィルムの大きな特徴であり機能性です。
防犯フィルムの施工価格
建築窓ガラス用、防犯フィルムの施工価格は次のリンク先をご参照ください。
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