狭小地に家を建てるとなると、庭を作ることができない場合があります。
また、駐車場の必要性から、庭が狭くなってしまう、あるいは、庭を作ることができない場合もあります。
そのような家に屋上が付いていれば、屋上に観葉植物やプランターを並べて家庭菜園を楽しむことができます。十分な広さのある屋上空間を庭として有効活用できます。
その他、BBQ/バーベキューや子供の遊び場、愛犬のミニドッグランなど、用途は広がります。
屋上にジャグジー付きならば、家族全員が最高の気分を味わうことができます。
屋上のある家は何とも開放感があり、夢が広がりませんか?
そこで、屋上のある木造2階建て住宅や屋上テラス付き住宅のメリット、そして、メンテナンスを含めたデメリットを解説します。
屋上のある家、屋上テラス付き住宅のメリット,デメリット
メリット
・360度の大パノラマ空間
・ホームパーティーやBBQ、子供やペットの遊び場に
・ジャグジーを設置して露天風呂を味わえる
・屋上を庭として使える
・ある程度、プライバシーを確保できる
・洗濯物干し空間として便利
・災害時の避難場所として使える
デメリット
・漏水リスクがある
・将来的な防水メンテナンスが必須
・屋上が落ち葉や砂埃で汚れやすい
・軒が無いため、夏は室内が暑い
・軒が無いため、外壁が汚れやすく塗装が劣化しやすい
・コスト高
屋上のある家、屋上テラス付き住宅のリスク
RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)はアスファルト防水やシート防水、ウレタン防水などの防水層で防水対策が施されています。
しかし、地震や災害に強いRC造やSRC造であっても、メンテナンス不足に起因する防水層の劣化により、雨漏りが発生する場合があります。
その状態が続くと、陸屋根のコンクリートのひび割れ部分から雨水が入り込み、じわじわと鉄筋のサビが進行していきます。
最終的に、建物の強度が大幅に低下してしまう最悪の事態を迎えてしまいます。
増してや、木造住宅はS造(鉄骨造)、RC造、SRC造に比べて、大型台風や地震などの影響で各部材が動いて変形しやすい建築物。木造はS造や剛性が高いRC造より揺れやすい建物。
建物が揺れると、木造の屋根の防水層がねじれ、経年劣化が重なると、防水シートに亀裂が入る可能性があります。
いくら屋上のシート防水やウレタン防水の施工がパーフェクトであっても、それらの経年劣化を避けることはできません。
もし、木造住宅の住人が屋上の定期的な点検と防水処理メンテナンスをスキップしていたら、その家は雨漏りリスクを抱えることになります。
もし、雨漏りが始まってしまったら悩ましい家と化し、住人は泣きを見ることになります。
そのような木造住宅に屋上空間を作るとなると、ハイリスクと言わざるを得ません。
屋根の役割
管理人が思いつくだけでも、家の屋根は3つの役割があります。
・防水
・断熱
・遮音
これらの役割の中で、屋上のある家は明らかに防水性能が低下します。
木造住宅+屋上は究極の選択
当ブログ記事の冒頭のとおり、屋上のある家は360度の大パノラマ空間が広がり、多目的な用途で屋上を活用できます。
お父さんは屋上のデッキチェアで晩酌しながら夜空を眺める・・・なんていう贅沢なひと時を想像することでしょう。
多くの人は、屋上空間に開放的でポジティブなイメージを抱いています。
しかし、木造住宅に屋上の設置はハイリスクと言わざるを得ません。屋上という開放的で非日常的な空間と引き換えに、住人は雨漏りリスクを抱える家で何十年も生活していかなければならないのです。
更に、定期的な屋上の点検と防水処理工事が必須となります。
当ブログの管理人は建築物に興味があることもあり、新興住宅地の家々を眺めながら散歩していると、木造とS造の家がほとんど。RC造の住宅は1棟、2棟程度。
それらの中で、屋上のある家は皆無とは言えないものの、極めて少ないのです。
お施主様が屋上のある家づくりを切望する場合を除き、各ビルダーは積極的に屋上のある木造の家を推奨していないことが窺えます。
ただ例外として、工務店が家のラインアップを複数用意しているとします。
それらの中に屋上のある家が見つかったら、その工務店は雨漏りリスクを理解していない可能性があります。
あるいは、その工務店は雨漏りリスクを承知の上、屋上という付加価値を付けた家を売っているかのどちらかでしょう。
また、その工務店は将来的に防水処理工事を請け負うことを前提としているかもしれません。
軒ゼロ住宅の暑さ対策
屋上のある家には軒(のき)がありません。
そして近年、軒ゼロ住宅と呼ばれる、軒のない家をよく見かけます。家に軒が無いとスッキリしたデザインになり、お施主様から人気を集めているのでしょう。
そもそも、軒は以下のメリットと役割があります。
・雨漏りしにくい。
・夏季、室内への直射日光を遮る。
・雨天時は雨除けの役割を果たす。
・外壁に太陽光と雨が当たりにくく、外壁を守る。
屋上のある家や軒ゼロ住宅で生活していると、太陽光が窓からダイレクトに室内に入ってきます。特に、夏の暑さと眩しさで悩んでいる住人が多いのです。
そこで、レースカーテンで対策している家庭がほどんど。カーテンで眩しさを和らげることはできます。しかし、カーテンが窓から室内に入ってくる日射熱で熱せられて放熱します。
よって、どうしても室内が暑くなりがちなのです。
この暑さ対策として、窓ガラスにガラスフィルムを貼り付ける方法が最も効果的です。
ガラスフィルムで暑さと眩しさ対策
具体的には、窓ガラスに建築用の「遮熱フィルム」または「遮熱断熱フィルム」を施工します。
「遮熱フィルム」は夏の眩しく暑い日射熱を大幅にカットし、エアコン効率がアップします。これにより、節電にも繋がります。
詳細は関連記事をご参照ください。
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「遮熱断熱フィルム」は夏の眩しく暑い日射熱を大幅にカットし、窓の断熱性能が約30%アップするため、冬の室内がより暖かくなります。
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