冬季、エアコン暖房で部屋を暖めると、どうしても部屋の空気が乾燥します。石油ファンヒーターを使用しても、やはり空気は乾燥しがち。
室内の空気が乾燥すると、人の呼吸器に負担がかかり、女性の方は乾燥肌が気になります。また、空気が乾燥すると、インフルエンザ・ウイルスに感染しやすくなります。
そこで、どこの家庭や職場でも、冬のマストアイテムは「加湿器」。
秋から冬にかけて、家電量販店やホームセンター、雑貨店などで多種多様な加湿器が所狭しと陳列されています。
加湿器は大きく「超音波式」「スチーム式」「ハイブリッド式」「気化式」の4つの方式。
それらの中で、最も手軽な加湿器は「超音波式」。超音波式は本体ユニットが小型のため、様々なデザインの製品が販売されています。
どの加湿器を選んでいいのやら、迷ったことがありませんか?
また、多くの加湿器は手頃な価格帯のため、何となく選んでしまい、後悔したことはありませんか?
実は、この加湿器選びと使い方は意外と難しい製品。そこで、まずは各方式のメリットとデメリットを把握したいもの。
加湿器を上手に使いこなすことで、空気が乾燥しがちな冬の生活に潤いをプラスし、風邪予防や窓ガラスの結露対策になります。
そこで、各種加湿器のメリットとデメリットを解説します。
また、冬季の窓際の寒さを和らげて、窓の結露を抑制するための対策をご紹介します。
加湿器の種類と方式
加湿器は方式によってそれぞれ特徴があり、メリットとデメリットがあります。メンテナンスを含めてじっくり選びたいもの。
加湿器の種類
加湿器は大きく4つの方式が流通しています。
超音波式
→霧吹きで水を霧状に放出するイメージ。
スチーム式
→お湯を沸騰させて蒸気を出す。
ハイブリッド式
→加熱気化式のハイブリッド式は水を染み込ませたフィルターに温風を当てる。
気化式
→水を染み込ませたフィルターに風を当てる。
YouTubeで加湿器の各方式についての説明動画が公開されています。(再生時間:13m38s)
全ての加湿器はタンクや本体内部の洗浄メンテナンスが必要です。詳細は取扱説明書でご確認ください。
超音波式
最も種類が多い加湿器は超音波式加湿器。超音波式はスプレーでミストを放出するイメージ。超音波式は価格が手頃であり、小型ペットボトルサイズからタワー型まで様々。
上の写真の「mononics Illumination Tower Humidifier/mononics イルミネーションタワー加湿器」はドン・キホーテで販売されている超音波式加湿器。
この製品は噴出するミスト量を3段階に変更可能。湿度はMax90%まで5%刻みで設定できます。室内の湿度が設定湿度に達すると、加湿機能が自動停止します。過剰な加湿は結露の原因になるため、湿度設定の機能は便利です。
なお、超音波式加湿器によっては、浄水器を通した水道水の使用を推奨しています。
メリット
・価格が手頃
・消費電力が小さく電気代が安い
・加湿能力がそこそこ
・小型から大容量タイプまでデザイン性が高い
・アロマを楽しむことができる
デメリット
・メンテナンス不足による雑菌の繁殖と放出
・小まめなメンテナンスが必須(毎日の水替え)
・設置場所により、加湿器の周囲に白いミネラル成分が付着する
超音波式加湿器の取扱説明書によりますと、加湿器の使用後、毎日の水交換と掃除を推奨しています。
本体のメンテナンス不足の場合、加湿器内で雑菌が繁殖し、そのまま室内へ放出さてしまいます。これは感染症を引き起こすリスクが高まるため要注意です。
mononicsイルミネーションタワー加湿器レビュー
当ブログ管理人のmononicsイルミネーションタワー加湿器の使用感として、20畳の部屋では明らかに加湿能力が不足します。この加湿器は10畳以下の部屋に向いているようです。あと、加湿器の運転中、人によってはモーター音が気になるかもしれません。
mononicsイルミネーションタワー加湿器の加湿量を3段階のMax状態にセットし、約10時間の連続運転で消費する水の量は約2L。加湿器のタンク容量は約4Lのため、朝から夜まで運転しても、水の継ぎ足しは不要。
総合的な評価として、中華製mononicsイルミネーションタワー加湿器のクオリティはJapanブランドには及びません。しかし、本体のスッキリとしたデザインがスタイリッシュで上部と下部にセットされているLEDイルミネーションがさりげなく存在感を主張しています。
スチーム式(加熱式)
スチーム式は昔から販売されている製品。電気で水を沸騰させて蒸気を放出します。スチーム式は、やかんでお湯を沸かして蒸気を放出するのと仕組みは同じ。
全ての加湿器の中でスチーム式(加熱式)は最もメンテナンスが楽で手間がかかりません。しかし、ヒーター部に白い水垢が付着するため、定期的なメンテナンスは必要です。
なお、各部屋で一日中、スチーム式の加湿器を使用すると、毎月の電気代が跳ね上がります。他の方式の加湿器と組み合わせて使うのも方法の1つです。
メリット
・価格が手頃
・加湿能力が高い
・水を沸騰させるため衛生的
デメリット
・消費電力が大きく、電気代が高い(消費電力250W以上)
・高温の蒸気を放出するため取り扱いに注意
・定期的なミネラル成分(スケール)のメンテナンスが必要
ハイブリッド式
ハイブリッド式加湿器は「加熱気化式」と「加熱超音波式」の2タイプ。
ハイブリッド式、加熱気化式
加熱気化式はスチーム式に気化式を加えた構造。
メリット
・加湿能力が高い
・部屋の温度が下がりにくい
・衛生的で安全
デメリット
・消費電力が大きく電気代が高い(スチーム式よりは電気代が安い)
・定期的なフィルターのメンテナンスが必須
・価格が高め
ハイブリッド式、加熱超音波式
ハイブリッド式、加熱超音波式加湿器は温風で濡れたTシャツを乾かすイメージ。
メリット
・加湿能力が高い
・部屋の温度が下がりにくい
・衛生的で安全
デメリット
・消費電力が大きく電気代が高い (スチーム式よりは電気代が安い)
・価格が高め
気化式
気化式加湿器はフィルターに水を浸透させ、ファンの風で水を気化させて加湿する方式。これは、強い風で濡れたTシャツを乾かすイメージ。この方式はパナソニックからも発売されています。
メリット
・全加湿器の中で消費電力が小さく電気代が安い
・フィルターのメンテナンス頻度が月に1回程度でカンタン
・パナソニックの気化式加湿器は最大64畳まで対応
・作動音が小さい
デメリット
・電源ONから加湿の立ち上がりに少々時間がかかる
・定期的なフィルターのメンテナンスが必要
・価格が高め
いかがでしたでしょうか?
加湿器は大きくこれだけ種類があり、方式によってそれぞれメリットとデメリットがあります。どの加湿器が我が家にマッチするのか迷ってしまうと思います。そこで、目的別に情報を整理してみます。
目的別、加湿器の選び方
加湿器の中で、消費電力が高く電気代が高い製品ほどメンテナンスが楽になります。反対に、消費電力が低く電気代が安い製品ほど、メンテナンスが必要です。
まとめると、以下のイメージです。
加湿器の電気代とメンテナンスの関係
安い ← ← ← 【電気代】 → → → 高い
面倒 ← ← ← 【メンテナンス】 → → → 楽
衛生的な空気を求める派
衛生的な空気を求める派でしたら、こちらの加湿器。
・スチーム式
・ハイブリッド式
・気化式
電気代が気になる派
月々の電気代が気になる派でしたら、こちらの加湿器。
・気化式
・超音波式
子育て世代向き
お子さんやペットのいたずらによるケガが心配なご家庭向きの加湿器はこちら。
・気化式
・超音波式
メンテナンスがラクラク派
加湿器のメンテナンスに手間をかけたくない派は、こちらの加湿器。
・気化式
価格志向派
低価格志向派でしたら、この加湿器。
・超音波式
よくわからない派
各加湿器はメリットとデメリットがあり、選択が難しく感じるのであれば、以下の加湿器がおすすめ。
・気化式
パナソニック/Panasonic製の気化式加湿器は12畳から64畳に対応するモデルまでラインアップが豊富。パナソニックの加湿器はリビングが広いマンションや吹き抜け空間のある一戸建て住宅まで対応できます。
あと、高性能な高気密高断熱住宅は冬季、室内が乾燥しがちなため、大空間に対応できるパナソニックの加湿器がマッチします。
気化式は消費電力が小さく、音も静か。もちろん、気化式もメンテナンスは必要ながら、バランスがいい加湿器。
予備知識無しで、なんとなく店舗やネットで加湿器を購入したものの、いざ加湿器を使ってみると自分のライフスタイルにマッチしない場合があるのではないでしょうか?
各加湿器のメリットとデメリットを比較しながら、自分と家族にマッチする加湿器を選びたいものです。
加湿器の使い方
加湿器を上手に使いこなして窓ガラスの結露を抑えるためには、ちょっとしたポイントがあります。
加湿器を置く場所
加湿器は壁際や窓際、部屋の角に置いて使われることが多いと思います。しかし、効果的な部屋の加湿と窓ガラスの結露を抑えるためには、以下の水色ゾーンに加湿器を置くのがお勧め。
・窓ガラスから離れた場所に加湿器を置く
窓ガラス付近に加湿器を置くと、放出された水分が窓ガラスに付着して結露を加速させてしまいます。
・壁や部屋の角から離れた場所に加湿器を置く
壁や部屋の角付近に超音波式加湿器を設置すると、周囲に水道水のカルシウムを含むミネラル成分が付着する場合があります。また、同様の場所にスチーム式加湿器を設置すると、壁が水分で濡れてしまう場合があります。
湿度管理
冬季、室内の快適な湿度は「40~60%」の間。部屋の湿度は状況により、短時間で10%ほど上下します。
部屋の湿度が40%を割ると、風邪ウイルスに感染しやすくなります。そして、60%を超えると窓ガラスが結露しやすく、 カビやダニの繁殖を加速させてしまいます。
時々、加湿器をチェックして、50~60%の範囲内に収まるように加湿器を操作したいもの。
上の写真のアナログ式「温度計&湿度計」はバイメタル式のシンプルなタイプで価格は1,000円台前半。(Amazonで購入可)当然、電池は不要。バイメタル式の「温度計&湿度計」は手頃な価格のため、各部屋に設置してもいいでしょう。
加湿器を使用する部屋に「温度計&湿度計」を設置すれば、室温と湿度管理が容易です。
冬季、人それぞれ体感温度に違いがあるものの、暖房器具の設定温度を20℃前後にセットします。そして、加湿器の電源スイッチON後、湿度が60%を超えないようにします。
高機能な加湿器には、放出ミスト量の設定や部屋の湿度設定ができる機能が内蔵されています。これらの機能を活用することで、よりきめ細かな湿度管理ができるようになります。
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窓ガラスの結露対策
プロ用、窓ガラスフィルムの中で、窓の断熱性能を高める「遮熱断熱フィルム」があります。これは、夏の日射熱の遮熱と冬の断熱性能の向上を兼ね備えたガラスフィルム。
「遮熱断熱フィルム」で窓の熱貫流率(U値)を下げることができ、断熱性能が数値で証明されています。
窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を施工後、フィルムが熱の移動を抑える効果があります。窓の断熱性能がアップし、結露の軽減効果があります。詳細はお問い合わせください。
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