温湿度計のデジタル/アナログ比較-寿命と精度は?おすすめはどっち?

アナログ式バイメタル温度計&湿度計 窓ガラスフィルム-ブログ
アナログ式バイメタル温度計&湿度計
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どこの家庭でも1つや2つはある温度計、室温計。

100均でも販売されているガラス製の温度計からバイメタル式のアナログ温度計、デジタル温度計まで様々。あと、温度計が内蔵されているデジタル式置き時計も多く見かけます。

しかし、部屋の湿度を表示する「湿度計」には案外、無関心な家庭が少なくないかもしれません。

湿度計は地味な製品かもしれませんけど、湿度計を上手に活用することで、私たちの快適で衛生的、健康的な生活に繋がります。

日本は高温多湿な国であるからこそ、「湿度計」はとても便利なアイテム。

そこで、今一度、見直してみたい「湿度計」の種類と特徴、精度、寿命、選び方、活用方法、冬の結露対策について解説します。

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湿度計の種類

ホームセンターや家具&インテリア雑貨店、通販で購入できる湿度計は大きく3タイプ。

・アナログ湿度計(バイメタル式)

・デジタル湿度計

・アスマン通風式乾湿計

アナログ湿度計(バイメタル式)

アナログ式バイメタル温度計&湿度計
アナログ湿度計(バイメタル式)

アナログ針で湿度を表示する湿度計はバイメタル式のアナログ湿度計。このタイプは温湿度計として、温度も表示する製品がほとんど。

バイメタル式の内部構造は真鍮(しんちゅう)などの薄い2枚の金属に収縮率の異なる乾湿剤を貼り合わせ、湿度変化によって曲がる現象を利用したゼンマイ式。

バイメタル式は構造がシンプルで歴史が長い湿度計です。

特徴

・視認性が高い

針で湿度を表示するバイメタル式のアナログ湿度計は、少々、遠くからでも視認性が高い特徴があります。

・指針の追従性がゆっくり

部屋の湿度は天候の変化やエアコンのON/OFF、冬季に使用する加湿器により、比較的短時間で上下します。アナログ湿度計はデジタル湿度計よりも、湿度変化に対する針の追従性がややゆっくりです。

・電池交換不要

当然ながら、バイメタル式のアナログ湿度計は電池不要。アナログ湿度計を購入後、放置状態でOKです。

精度

上の写真の温度計&湿度計はEMPEX/エンペックス気象計株式会社の製品。この製品の精度は取扱説明書によりますと「±3%」RH(常温)。

ホームセンターや家具&インテリア雑貨店などにズラッと並んでいる複数のアナログ温湿度計を比較すると、各温湿度計が表示する湿度が異なっていることに気付きます。

冬季、湿度27%くらいを表示している製品もあれば、30%を表示している製品もあります。

アナログ温湿度計のメーカーによって表示誤差があるのでしょう。一般家庭用として使う民生用のアナログ温湿度計は多少の誤差があるようです。

なお、100均で売られているアナログ湿度計に高い精度を求めるのは無理があります。ダイソー、セリア、キャンドゥなどのアナログ湿度計は、あくまで参考程度にとどめる用途向きです。

アナログ湿度計の寿命

アナログ湿度計(バイメタル式)の寿命は数年から長くて「5年」ほど。エンペックス気象計株式会社のオフィシャルサイトによりますと、温湿度計は「2~5年」は使用可能との記載があります。

家の中に、いつ買ったのか記憶に無い古い湿度計がありませんか?恐らく、その湿度計は高い確率で寿命を迎えています。アナログの針が頓珍漢な湿度を示しているかもしれません。

購入後のおすすめポイント

アナログ湿度計を購入後、何年も経過すると、いつ購入したのか分からなくなってしまいます。そこで、湿度計本体の裏側にポスト・イットなどの付箋に購入年月を記入して貼り付けておきます。

将来的に購入日から5年以上経過していたら、買い替え時と判断できます。

デジタル湿度計

デジタル湿度計
デジタル湿度計

1,000~2,000円ほどの家庭用デジタル湿度計は電気抵抗式湿度計。ほとんどのデジタル湿度計は温度も表示する温湿度計。

本体内部の乾湿剤の中にプラスとマイナスの電極がセットされ、湿度変化による電気の流れやすさの変化をセンシングしてデジタル表示します。

特徴

・液晶表示が多彩

デジタル湿度計によっては、室温と湿度が適正範囲から外れると、顔文字などのイラストが液晶表示されます。

・デジタル表示の追従性が早い

デジタル湿度計はアナログ湿度計よりも、湿度変化に対するデジタル表示の追従性が早いのが特徴です。例えば夏季、エアコンON後、デジタル湿度計の液晶表示の値が見る見るうちに下がっていきます。

・要電池交換

当然ながら、デジタル湿度計は乾電池が必要です。電池寿命は1~3年が目安。

使用する電池のタイプは「単4型電池」や「ボタン型電池」が多いです。

精度

上の写真の湿度計はカインズ/CAINZホームセンターのオリジナル製品。この製品の精度は「±5%」(常温)。

ホームセンターや家具&インテリア雑貨店などにズラッと並んでいる複数のデジタル温湿度計を比較すると、各温湿度計が表示する湿度が異なっていることに気付きます。

冬季、湿度27%を表示している製品もあれば、30%を表示している製品もあります。

そして夏季、湿度51%を表示している製品もあれば、56%を表示している製品もあります。

これは、デジタル温湿度計はメーカーと製品により誤差がある証拠。一般家庭用として使う民生用のデジタル温湿度計はアナログ式と同様、誤差があるようです。

一般家庭用のデジタル温湿度計が表示する数字は目安として、大らかな気持ちで参考にする値となります。

デジタル湿度計の寿命

当ブログの管理人がリサーチしたところ、デジタル湿度計の製造メーカーは明確な耐用年数を公表していません。デジタル湿度計の温度検出素子の耐久性は、はっきり言えないようです。

全ての工業製品は半永久的に機能するわけではないものの、デジタル湿度計の寿命はアナログ式よりも長い可能性があると解釈していいかもしれません。

もちろん、デジタル湿度計は定期的な電池交換(マンガン乾電池 or ボタン型電池)が必要です。

購入後のおすすめポイント

デジタル湿度計を購入後、本体に乾電池をセットしたら、ポスト・イットなどの付箋にセットした年月を記入して電池に貼り付けておきます。

これで、電池の寿命が一目で分かります。

購入後の注意点

デジタル湿度計を購入後、一定年数が経過すると電池交換が必要です。

この時、必ず製品に「マンガン乾電池」をセットします。デジタル湿度計は消費電流が小さいため、マンガン乾電池が適しています。

もし、デジタル湿度計にアルカリ乾電池を使用すると、将来的に乾電池の液漏れリスクを否定できません。

壁掛け時計や置時計と同様、デジタル湿度計にアルカリ乾電池をセットしたまま長期間使用すると、乾電池の液漏れにより製品が故障してしまうリスクがあります。

以上の点は、注意したいものです。

アルカリ乾電池は家電量販店やホームセンター、ドン・キホーテ、100円ショップ等の目立つ場所に陳列されています。よって、つい買い物かごにアルカリ乾電池を放り込んでしまうかもしれません。

対する「マンガン乾電池」は陳列棚の最下段などの地味な場所に並んでいるケースが多いため、よく確認して乾電池を購入したいものです。

アスマン通風式乾湿計

乾湿計と呼ばれるアスマン通風式乾湿計。

Amazonなどで検索すると、アスマン式を無風状態で使うようにした簡易タイプが見つかります。これは本体下部に水タンクがセットしてある湿度計。

Amazonで販売されている佐藤計量器製作所製、乾湿計の価格は1,500円前後。精度は±1度。本体に乾球と湿球がセットされていて、上下に動く中央移動板を動かして湿度を読み取る仕組み。

精度

構造上、湿度の誤差を表示できません。

アスマン通風式乾湿計の寿命

佐藤計量器製作所のオフィシャルサイトに製品の耐久性に関する情報が明記されていません。アスマン通風式乾湿計、簡易タイプの寿命はガラス製温度計と同等と推察されます。

スマホのアプリ

スマホアプリ、温度計、湿度計

スマホのアプリを検索すると、温度計、湿度計、温湿度計アプリなどが見つかります。但し、アプリの使用には注意が必要です。

iPhone

2024年現在、iPhoneの各モデルに温度と湿度センサーは内蔵されていません。よって、iPhoneの「温度計、湿度計アプリ」は位置情報を利用し、その広域エリアのデータを表示します。

よって、iPhone用の温度計、湿度計、温湿度計アプリで、今、自分がいる部屋の正確な湿度は分かりません

AndroidTM

AndroidTM端末によっては、アプリをダウンロードして温度計、湿度計を表示できます。

アンドロイド端末の中には、温度と湿度センサーを内蔵するスマホがあります。

そして、温度と湿度センサーが未内蔵モデルの場合、位置情報のGPSを利用して、その広域エリアのデータを表示します。

温度と湿度センサーが未内蔵モデルの場合、温度計、湿度計、温湿度計アプリで今、自分がいる部屋の正確な湿度は分かりません

湿度計の選び方

Amazon デジタル、アナログ湿度計

アスマン通風式乾湿計の簡易タイプは一目で湿度を読み取ることができません。このタイプは、より高い精度で湿度を知りたい人向きの製品。

よって、一般家庭用の湿度計の選択肢は大きく「バイメタル式のアナログ湿度計」と「デジタル湿度計」の2種類。

家庭用のバイメタル式、アナログ湿度計とデジタル湿度計の精度はメーカーによって若干の違いはあるものの、安物製品を除いて大差はありません。

家庭用の湿度計は本体デザインとインテリアのマッチングを含めた好みで選んでOK。

湿度計は消耗品

先述のように、アナログ湿度計(バイメタル式)は消耗品。これは案外、知られていないと思います。

そして、デジタル湿度計の耐久性はバイメタル式より長いようですけど、壁掛け時計のようにずっと使える製品ではないと考えた方がいいでしょう。

アナログ湿度計

アナログ温度計、湿度計(バイメタル式)

Amazonで検索すると、バイメタル式のアナログ湿度計が400点以上、ヒットしました。(2020年2月現在)そして、2023年1月、再びAmazonで検索すると、アナログ湿度計が962点ヒットしました。

バイメタル式は温度計と湿度計の両方がセットされている製品がほとんど。好みやインテリアにマッチするアナログ湿度計を探し出すのも楽しみの1つ。

ちなみに、アナログ腕時計とデジタル腕時計を比較すると、アナログ時計の方がフォーマルで高級感があります。対するデジタル腕時計はアウトドアやスポーツシーンにも使えるカジュアル感があります。

湿度計のデザインとインテリア性では、アナログ湿度計の方が上という声もあります。これは、好みの問題。

多くのアナログ式湿度計の価格は2,000円以内。

デジタル湿度計

デジタル温度計、湿度計

同じくAmazonで検索すると、デジタル湿度計が2,000点以上、ヒットしました。(2020年2月現在)

そして、2023年1月、再びAmazonで検索すると、デジタル湿度計が10,000点以上、ヒットしました。デジタル湿度計&温度計の種類が約3年で5倍に増えています。

今の湿度計の主流はデジタル式のようです。

デジタル式も温度計と湿度計の両方がセットされている温湿度計がほとんど。更に、日付け、曜日、時計が内蔵されているタイプもあります。

多くのデジタル湿度計の価格は2,000円以内。

ちなみに、デジタル湿度計にセットするマンガン乾電池の寿命は製品によって違いがあるものの、1~3年が目安になります。

湿度計の活用方法

春、夏、秋、冬

日本は四季がはっきりと分かれている国。春、夏、秋、冬で大気中と室内の湿度が変化します。

関東から東海、近畿地方にかけての平野部では、12月から翌3月までは湿度が低く40%台まで下がり、夏は湿度が70%台まで上昇します。

そして、北陸から東北、北海道地方にかけては1年を通して湿度が高く、概ね60%以上で推移します。年平均の湿度が70%以上の地域が多いのが特徴です。

夏季のエアコン冷房や冬季のエアコン暖房、その他の暖房器具による暖房、そして加湿器を上手に使うことで、快適で健康的な生活に繋がります。

Spring-日本の春の湿度

日本の春は全国的に過ごしやすく、湿度が気になることはほとんどありません。

春の季節は天候によって湿度が大きく上下します。晴天の日は湿度が30%台まで低下することもあれば、雨天時は70%以上まで上昇します。

春は、湿度が上下しやすい季節です。

Summer-日本の夏の湿度

日本は高温多湿の国。概ね、日本の夏は各地で湿度が高く、標高が高い地域と北海道を除いて蒸し暑い日が続きます。

北海道を除き、梅雨の時期から湿度計が示す湿度が上昇します。エアコンの除湿/ドライ機能を上手に活用することで、快適で衛生的な室内空間を整えることができます。

Autumn-日本の秋の湿度

日本の秋は全国的に過ごしやすい季節。しかし、秋は台風が沖縄から九州、四国、本州に上陸する季節でもあるため、湿度が上下しやすい傾向があります。

Winter-日本の冬の湿度

冬季、関東から東海、近畿地方にかけての平野部では湿度が下がり、空気が乾燥した日が続きます。エアコン暖房の使用で室内の空気が乾燥するため、加湿器が出番となる季節。

また、冬季は窓ガラスの結露に注意したい季節でもあります。

夏の熱中症や冬のインフルエンザ対策に

ほとんどの湿度計はアナログ、デジタルを問わず、温度計も内蔵されています。湿度計は手頃な価格帯のため、各部屋に湿度計を置くことで健康管理に役立ちます。

夏の太陽
Summer

室温と湿度をチェックすることで、蒸し暑い夏の熱中症対策に役立ちます。

また、室内のダニの繁殖を抑制するために、湿度計が60%以上を示したらエアコン冷房や除湿をONにする目安になります。

雪
Winter

冬、風邪をひいてしまう大きな原因はインフルエンザのウイルス感染。目に見えないウイルスは湿度が低いと、空気中に漂いやすくなります。これが理由の1つで風邪をひきやすくなるようです。

そこで、加湿器を活用して部屋の湿度を一定に保つことで、ウイルスは床に落下します。風邪対策にも加湿器は重宝します。

快適な湿度

人が快適に感じる湿度には違いがあるものの、概ね、室内の湿度は「40~60%」の間が快適ゾーンと言われます。

実際、部屋の湿度が40%まで下がると、空気の乾燥が気になる人もいます。また、湿度が40%以下に下がると、インフルエンザに罹患する患者が増える傾向があります。

冬季、せめて部屋の湿度を50%以上に保ちたいものです。

冬季は時々、湿度チェック

一戸建て住宅の場合、各部屋によって湿度が異なります。

キッチンでは料理をしてお湯を沸かすため、他の部屋より湿度が高くなる傾向があります。また、洗濯物を部屋干しすると、やはり湿度が上がります。

エアコン暖房や石油ファンヒーターなどの暖房器具に加えて、加湿器を併用する家庭が多いと思います。

外気温が低く、室内の湿度が高いほど、窓ガラスが結露しやすくなります。結露を放置すると、カビとダニの発生による健康被害を受けるリスクが高まるため気を付けたいものです。

結露対策

超音波加湿器

冬季、なぜ部屋の窓ガラスが結露するのかは、以下のリンク先をご参照ください。

結露対策として、湿度計で部屋の湿度を管理するのが一番です。

湿度管理

アナログ式バイメタル温度計&湿度計
アナログ式温度計&湿度計

冬季、室内の快適な湿度は「40~60%」の間。理想としては「45~60%」の間。部屋の湿度は状況により、短時間で簡単に上下します。

部屋の湿度が40%を割ると、風邪ウイルスに感染しやすくなります。

そして、湿度が60%を超えると窓ガラスが結露しやすく、 カビやダニの繁殖を加速させてしまいます。これが原因で健康被害を受けるリスクが高まります。

時々、加湿器をチェックして、50~60%の範囲内に収まるように加湿器を操作したいもの。

加湿器を使用する全ての部屋に「温度計&湿度計」を設置すれば、室温と湿度管理が容易です。

冬場、人それぞれ体感温度に違いがあるものの、暖房器具の設定温度を20℃前後にセットします。そして、加湿器の電源スイッチON後、湿度が60%を超えないようにします。

高機能な加湿器には、放出ミスト量の設定や部屋の湿度設定ができる機能が内蔵されています。これらの機能を活用することで、よりきめ細かな湿度管理ができるようになります。

まとめ

室内の室温はもちろんのこと、湿度も健康的で衛生的な生活と大きな関係があります。湿度計で部屋の湿度をチェックすることで、より快適で衛生的、健康的な生活に繋がります。

湿度計が内蔵されている温湿度計は手頃な価格で入手できるため、改めて室内の「湿度」に関心を向けてみてはいかがでしょうか。

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