暖房器具の中で石油ファンヒーターは、まだまだ根強い人気があります。
石油ファンヒーターは石油ストーブと違い、室温設定ができるため燃費が良く、部屋を効率よく暖めることができる特徴があります。
よくホームセンターや家電量販店で見かける石油ファンヒーターは主に「コロナ」と「ダイニチ」。あと、「トヨトミ」も見かけることがあるものの、流通量は多くはないようです。
現在、石油ファンヒーターと言えば、メジャーメーカーの選択肢は「コロナ」と「ダイニチ」のどちらか。
石油ファンヒーターは製造メーカーによって、灯油の燃焼方式に違いがあります。これは、無視できない大きな違い。そして、ランニングコストを含めて石油ファンヒーターを選びたいもの。
そこで、「コロナ vs ダイニチ」石油ファンヒーターの比較、そして、灯油代と電気代を節約できる方法も合わせてご紹介します。
コロナ vs ダイニチ
ネット検索すると、コロナとダイニチ石油ファンヒーターの記事が多くヒットします。
いったい、どちらのメーカーを選んだらいいのか?迷う方が多いのではないでしょうか?中には、「どちらでもいい」という方もいるかもしれません。
「石油ファンヒーターは、どれも似たり寄ったりでは?」と思っている方もいることでしょう。
売れ筋のコロナとダイニチ石油ファンヒーターを比較すると、本体のデザインに大きな違いはありません。本体をよく見ると、「CORONA」と「Dainichi」のメーカーロゴで両者を判別できるくらい。
ちなみに、当ブログの管理人は「コロナ」石油ファンヒーターの愛好家。
管理人は20代の頃から長年、石油ファンヒーターの愛用者。管理人は石油ファンヒーターは日本の暖房器具の中で最高傑作品だと思います。
また、石油ファンヒーターは加湿効果があります。石油ファンヒーターの内部で灯油を燃やすと、吹き出し口から水分が放出されます。灯油1Lを燃焼させると、水が1L発生すると言われます。
この理屈は冬季、自動車のマフラー出口からぽたぽたと水が出てくる現象と同じ。
さて、管理人は今まで、三菱電機とコロナ、ダイニチの石油ファンヒーターを使ってきました。現在、自宅の一部で稼働している石油ファンヒーターはコロナ。
石油ファンヒーターはシーズン終了後、きちんと手入れすれば、たびたび故障するような暖房器具ではありません。
だからこそ、あなたに失敗しない暖房器具を選んでいただきたく思うのです。
管理人はコロナ派
結論から言いますと、石油ファンヒーターを選ぶならば、当ブログの独断と偏見で「コロナ」の一択でいいと思います。
本当、コロナの石油ファンヒーターは優秀。管理人は今まで、何台も石油ファンヒーターを購入してきた経験から、きっぱりと断言できます。
では、コロナとダイニチ石油ファンヒーターの特徴と長所、短所について、管理人の今までの使用感、レビューを交えながら呟いていきましょう。
コロナ石油ファンヒーター
コロナ石油ファンヒーターは株式会社コロナの製品。コロナ社は新潟県三条市に本社を構える、暖房器具や住宅関連設備を製造しているメーカー。コロナ社の創業は1937年。東京証券取引所、第一部上場企業。
新潟県という豪雪地帯だからこそ、株式会社コロナの創業に至ったことが窺えます。
コロナの特徴
コロナが採用している燃焼方式は「ポンプ噴射式」。
石油ファンヒーターの燃焼筒(バーナー)の熱を利用して灯油をガス化して燃焼させます。そして、本体後部のファンで燃焼熱を前方に送り出す仕組み。
出典:2023-CORONA暖房機器カタログ
コロナの長所
・消費電力が少ない。(電気代が安い)
・燃焼音が静か。
・燃焼コントロールが緻密。
・最小暖房出力が0.59kW(モデルにより異なる)
→ 秋や春先など、ちょっと暖房したい時に燃焼を絞ることができる。
・灯油タンクの「よごれま栓」の設計が秀逸。
よごれま栓
コロナ石油ファンヒーターの「よごれま栓」のつまみを引くだけで、キャップを開けることができます。
タンクに給油時、「よごれま栓」ならば、手が灯油で汚れない構造。一度、「よごれま栓」を使うと、他の石油ファンヒーターが使えなくなるほど便利な機能です。
コロナの短所
・スイッチONから点火するまで最短55秒。(モデルによって異なる。)
・タンク容量が7.2Lでダイニチより少ない。(miniタイプは5.0Lタンク)
・石油ファンヒーターが適合する部屋の広さが最大20畳(コンクリート住宅)まで。
ダイニチ石油ファンヒーター
ダイニチ石油ファンヒーターはダイニチ工業株式会社の製品。ダイニチ工業社は新潟県新潟市南区に本社を構え、暖房器具や加湿器を製造しているメーカー。ダイニチ工業社の創業は1957年。東京証券取引所、第一部上場企業。
ダイニチ工業株式会社も株式会社コロナと同様、新潟県で創業した会社。
ダイニチの特徴
ダイニチが採用している燃焼方式は「ブンゼン式」。
家庭用100Vの電気で気化器を熱し、燃焼筒で灯油を燃焼させます。 本体後部のファンで燃焼熱を前方に送り出す仕組みはコロナと同じ。
出典:2023-Dainichi暖房機器カタログ
ダイニチの長所
・スイッチONから点火までの時間が最短35秒。(モデルによって異なる。)
・タンク容量が最大9.0L。(小型モデルは3.5L)
・石油ファンヒーターが適合する部屋の広さが25畳(コンクリート住宅)まで。
ダイニチの短所
・消費電力が多い。(電気代が高い)
・燃焼音が少々、大きい。
・標高1,300m以上の高地では使用不可。(家庭用石油ファンヒーター)
コロナvsダイニチ、消費電力と電気代を比較
石油ファンヒーターのような暖房器具は一旦、スイッチをONにすれば、人が部屋にいる限り長時間の運転が続きます。(当然ながら、小まめな換気が必須。)
寒冷地では、朝から夜までファンヒーターの運転が続く日も多いのではないでしょうか。
そこで、無視できないのが石油ファンヒーターの消費電力と電気代。
コロナとダイニチ石油ファンヒーターの消費電力を比較すると、無視できない違いがあります。両メーカーの「3.70kW」出力のファンヒーターを比較すると、以下のようになります。
※出力「3.70kW」のファンヒーターならば、暖房の目安は木造(一戸建)で10畳まで、コンクリート(集合)で13畳までとなります。
コロナ「3.70kW」A石油ファンヒーターの消費電力
弱燃焼時「10W」、強燃焼時「20W」
ダイニチ「3.70kW」B石油ファンヒーターの消費電力
弱燃焼時「60W」、強燃焼時「120W」
機種により、石油ファンヒーターに装着されている温度センサーのデータがどのように演算処理されて、燃焼とファンをコントロールするのかに違いがあります。
厳密な比較はできないものの、同一出力モデルであれば、コロナとダイニチの消費電力は大雑把に約6倍の違いがあります。
つまり、コロナ石油ファンヒーターの電気代はダイニチの「約1/6」。
石油ファンヒーターは長時間、運転が続く暖房器具。1ヶ月単位、そして、冬季の電気代を通算して比較すると無視できないのではないでしょうか。
電気代の計算方法
電気代の計算方法は以下のリンク先で簡単に自動計算できます。
電気料金計算ツールの使い方の一例。
・リビング・ダイニングキッチン(LDK)合計20畳
・石油ファンヒーターの運転時間:8時間/日
・石油ファンヒーターの運転日数:30日
・1kWh単価:27円
・運転開始後、1時間は最大暖房出力(120W or 20W)
・残りの7時間は最小暖房出力(60W or 10W)
コロナ石油ファンヒーター(3.70kW)の1ヶ月の電気代
30日間、毎日1時間の消費電力は20W。そして、毎日7時間の消費電力は10W。
電気料金計算ツールの計算結果は、約16.2円+約56.7円=「合計、約72.9円/30日」
ダイニチ石油ファンヒーター(3.70kW)の1ヶ月の電気代
30日間、毎日1時間の消費電力は120W。そして、毎日7時間の消費電力は60W。
電気料金計算ツールの計算結果は、約97.2円+約340.2円=「合計、約437.4円/30日」
コロナとダイニチ石油ファンヒーターの電気代の差は約6倍。6倍の差が大きいのか小さいのかは、感じ方は人それぞれ。
なお、コロナとダイニチの最大暖房出力が同じであれば、1ヶ月の灯油代はほぼ同じと考えられます。
電気代の差額分でコロナ石油ファンヒーターが買える
冬季、11月~3月の5ヶ月間、毎日、石油ファンヒーターを使う場合、コロナとダイニチの電気代の差額は次の金額になります。
(約437.4円 – 約72.9円)×5ヶ月=約1,822.5円/5ヶ月
ホームセンターや家電量販店で販売されている木造10畳まで対応の石油ファンヒーターの価格帯は10,000円前後から15,000円ほど。中間値として12,500円とします。
12,500円×1/1822.5円=7.85年
コロナ石油ファンヒーターを約8年間使うと、浮いた電気代でコロナ石油ファンヒーターが1台買えてしまう計算になります。
家電製品を購入後、10年前後で故障する場合があり、製品寿命の目安となります。増してや、石油ファンヒーターは灯油を燃焼させる製品である以上、安全性を考えて定期的な買い替えが必要です。
石油ファンヒーターメーカーの補修用性能部品の最低保有期間は6~9年。コロナは6年でダイニチは9年。保有期間を過ぎてしまうと、修理不可となります。
やはり、石油ファンヒーターは6~9年毎の買い替えが安全で安心のようです。
以上、毎年、コロナ石油ファンヒーターを使い続けることで、約8年後に再びコロナが1台買えてしまうというシミュレーション結果でした。
石油ファンヒーターのまとめ
当ブログの管理人は総合的に「コロナ」石油ファンヒーターの圧勝だと考えています。
先述のように、コロナ石油ファンヒーターの運転スイッチをON後、点火がスタートするまで1分弱必要。ちなみに、エアコン暖房も同様、スイッチONから温風が出てくるまで、少々待たされます。
管理人としては、これは大した問題ではありません。もし、スイッチON後、少しでも早く暖を取りたい方はダイニチを選べばいいのです。
かねてより節電が叫ばれ、2011年の3.11以降、節電意識が高まった方が少なくないと思います。そして、2021年9月以降、日本国内の電力各社の電気料金が値上がりし続けています。
家庭用エアコンや冷蔵庫等の家電製品は毎年のようにマイナーチェンジされ、定期的にフルモデルチェンジを受けて、消費電力が明らかに少なくなっています。
他方、長時間稼働する暖房器具の消費電力がメーカーによって約6倍も開きがあると、これは無視できないのではないでしょうか。
付け加えておきますと、コロナの石油ファンヒーターが微弱モードに入ると、燃焼音が非常に静か。長時間、室内で運転が続く暖房器具は静粛性も大切な性能。
ということで、管理人は自信を持って、コロナ石油ファンヒーターをお勧めします。
では次に、石油ファンヒーターの灯油代と電気代を節約する方法をご紹介します。
石油ファンヒーターの灯油代と電気代を節約する方法
2003年、建築基準法が改正され、建築物の24時間換気扇の設置が原則として義務化されました。それ以降、高気密高断熱住宅が増加の一途を辿ってきました。
家の気密性が高まり、樹脂サッシにペアガラスを設置した住宅が増えてきました。今や、多くの新築一戸建て住宅には「樹脂サッシ+ペアガラス」や「アルミ樹脂複合サッシ+ペアガラス」が採用されています。
同時に「樹脂サッシ+Low-E複層ガラス」が設置されている住宅も増加傾向にあります。
対する、2000年以前に建てられた建築物の多くには「アルミサッシ+単板ガラス」が設置されています。
一戸建て住宅、マンション、その他、商業ビルを含めて、建築物の中で一番、建物性能を落としてしまう場所は「窓」。
夏季、太陽光の日射熱が窓ガラスから流入し、室温を上げてしまいます。そして冬季、部屋を冷やしてしまう第1の原因は「窓」。
という事は、窓を強化することで、夏の暑さと冬の寒さを和らげることができます。結果的に冷暖房効率が上がり、電気代と灯油代の節約に繋がります。
窓ガラスから熱が逃げないようにする
先ほどの解説のように、建築物の中で一番の弱点は「窓」。
石油ファンヒーターの熱風で部屋を暖めても、その熱の一部は窓から外へどんどん逃げています。例えるならば、ヒビ割れた茶碗にお茶を注いでいるようなもの。
・急須(きゅうす) = 石油ファンヒーター
・茶碗 = 部屋
・ひび割れ = 窓ガラス
ひび割れの数が多いほど、茶碗に注いだお茶はどんどん漏れてしまいます。そこで、更にお茶を注ぐことになるのです。
この世の建築物は多かれ少なかれ、上図のような状態なのです。
石油ファンヒーターで部屋を暖めても、熱がどんどん窓から外へ漏れていきます。そこで、更に灯油を燃やし、ファンを回して熱風を出すことになります。
これは、灯油と電気を浪費している状態・・・
そこで、対策として、できる限り、ひび割れを塞げばいいのです。つまり、建物の弱点である窓ガラスに断熱性能を持つガラスフィルムを施工する方法があります。
窓ガラスにガラスフィルムを施工
窓ガラスフィルムの中で、遮熱断熱(しゃねつだんねつ)機能を持つ製品があります。
具体的には、窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を施工することで、冬季の部屋の寒さを和らげることができます。それだけ、暖房器具の負荷が減り、灯油代や電気代の節約に繋がります。
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