社会不安障害である視線恐怖症は対人恐怖症の1つ。視線恐怖症で悩んでいる方が少なくないと言われます。対人恐怖症は英語でTKS(TKS : Taijin Kyofusho Symptoms)。
視線恐怖症の方は自分の症状を理解しているものの、どうすることもできず、周りに相談しても理解してもらえず常に悩みを抱えています。
そこで、視線恐怖症とはどのような症状なのか、そして、視線恐怖症の方のストレス軽減や周囲の方がどのように接していけばいいのか考えてみます。
視線恐怖症
他者視線恐怖症
人の視線を過剰なほど恐れる症状。
正視恐怖症
相手と向かい合うと、自分の気持ちが見透かされているような心境になる。
自己視線恐怖症
自分の視線が相手に不快な思いをさせていると思い込む症状。
脇見恐怖症
自分の視線に入る人や物に無意識に目を向けてしまう症状。
マスク依存症
社会不安障害を抱えている方の中には、風邪をひいているわけではなく、風邪のウイルス感染の予防目的でもないのに、マスクに依存する傾向があると言われます。
これは、マスク依存症と言われます。
若い女性の間で「マスク女子」という言葉が飛び交っています。
確かに、マスクで顔を隠すことで小顔効果があるのでしょう。その他、かわいく見える効果、顔のコンプレックスを隠す効果、すっぴん隠し、口臭対策などがあるようです。
ドラッグストアでは、小顔効果を謳うマスクが販売されています。
マスクコーナーでは「小顔みえマスク」、「小顔に魅せる」、「美フィットマスク」、「小顔美人」などのマスクがマスク売り場を華やかにしています。
しかし、マスク女子の中には、社会不安障害を抱えているかもしれません。
マスク依存症の方は心理的に多かれ少なかれ、自分が人からどのように見られているのか気になります。
そこで、マスクをつけることで、それが自分を守るバリアのような働きをしてくれます。それにより、安心感を得られるようです。
視線恐怖症の治療
心の病気を抱えている方が医療機関で診察を受けることは決して恥ずかしいことではありません。
人は「心と体」で成り立っています。風邪をひいてしまうと、発熱や咳、鼻水、鼻づまりなどの肉体的な症状が出ます。心が風邪をひいてしまうことは人間である以上、ごく普通のことと考える方が自然です。
風邪をひいて高熱が出てしまった場合、内科を受診して適切な治療を受けるのはごく普通のこと。同様ながら、心が風邪をひいてしまった自覚症状があるならば、専門医に相談するのが順当です。
恐怖症の治療
ここで恐怖症の場合、どの医療機関へ行けばいいのでしょうか。
恐怖症の治療として、精神保健福祉士(PSW:Psychiatric Social Worker)による心理療法があります。
そして、精神科は心の病を抱えている患者さんを受け入れ、心療内科は心理的なストレスが原因で自分の体に様々な症状が現れている患者さんを受け入れています。
精神科の個人病院はよく「○□メンタルクリニック」という看板を掲げています。メンタルクリニックの視線恐怖症の治療は大きく薬物療法と精神療法の2つ。
恐怖症の治療方法として薬が使われるものの、薬で症状がすっきり治ってしまうとは言えないようです。
恐怖症の患者さんはそれぞれ違う人生を歩んできています。過去に受けたトラウマや過剰なストレスなど、恐怖症の原因は人それぞれ異なります。
そこで、精神療法の中の認知行動療法などを併用し、多くは時間をかけて治療を続けていくようです。
まとめ
肉体的な病気が快方に向かうと、医療機関の検査結果から治癒と判断されます。しかし、心の風邪は外からの判断が難しいもの。
対人恐怖症の視線恐怖症を知らない人は、視線恐怖症を抱えている人の気持ちを理解し難いと思われます。しかし、視線恐怖症の人は毎日その症状を抱えながら、ある意味、他の視線と戦っています。
職場や社会は視線恐怖症を抱えている人を理解する必要があります。特に職場では、視線恐怖症の人との接し方や人事のマネージメントがより適切になるのではないでしょうか。
いずれにしても、周囲の人たちは広い心で相手の治癒を見守ってあげる配慮と姿勢が大切だと考えられます。
プライバシー保護対策
対人恐怖症である視線恐怖症の人が自宅において、外から窓越しの視線が気にならないと言ったら嘘になるでしょう。
ただ、もしカーテンを閉めっぱなしの生活では、陰鬱なムードになりがちで心理面に影を落としかねます。
そこで、外から室内が見えず、あるいは見えにくく、室内から外がよく見えるプライバシー保護のガラスフィルムを活用するのも1つの方法です。
窓ガラスに目隠しガラスフィルムを貼ることで、視線恐怖症の方にとって心理的な安心感が得られます。自宅がリラックス空間となり、ストレスを軽減できます。
目隠しフィルムでリラックス空間
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