女性のコスメでおなじみの「UVカット」。UV = 紫外線。
アパレルの世界でも「UVカット」という言葉が飛び交っています。
春から夏にかけて、その他の分野でも「UVカット」という言葉を見聞きします。
この紫外線は直射日光だけに含まれているわけではありません。紫外線は建物や道路で乱反射し、窓ガラスを通して室内にも流入してきます。
そこで、室内の紫外線対策として、窓ガラスに紫外線防止フィルム、紫外線カットフィルム、紫外線吸収フィルム、紫外線対策フィルムとも呼ばれる「UVカットフィルム」を貼る方法が最も効果的だと考えられています。
建物の窓ガラスに厚さ50μm(0.05mm)のプロ業者用ガラスフィルムを施工後、紫外線A波(UV-A)と紫外線B波(UV-B)を99%以上カットできます。
UVカットフィルムが紫外線をカットする仕組みとガラスフィルムの構造について解説します。
窓ガラスフィルムの構造
建築用フィルム専門のプロ業者が取り扱う「UVカットフィルム」、「遮熱フィルム」、「遮熱断熱フィルム」、「目隠しフィルム」、「デザインフィルム」などの代表的なガラスフィルムの厚さは50μm(マイクロメーター)ほど。
プロ用ガラスフィルムの厚さは新聞紙の厚さ(約50μm)とほぼ同じです。
※ガラスフィルムの構造を理解しやすくするため、上図はフィルム断面を拡大して表示しています。
ガラスフィルムは以下の構造になっています。
・セパレーター(接着面保護シート)
・透明粘着剤
・高透明PETフィルム
・層間接着剤
・ハードコート
セパレーター
ガラスフィルムの施工時、職人がセパレーターを剥がして窓ガラスにフィルムを貼り付けます。
透明粘着剤
透明粘着剤は窓ガラスにフィルムを接着させる役割とUVカットの2つの役割があります。
透明粘着剤には、フィルム基材を保護するための紫外線処理剤が配合されています。窓にガラスフィルムを貼るだけで、紫外線を99%以上カットできます。
高透明PETフィルム
高透明PETフィルムはガラスフィルムの基材。素材はPETと呼ばれるポリエチレンテレフタレート。身近なペットボトルもPETで作られています。
ガラスフィルムの種類によって、高透明PETフィルムに様々な機能が与えられています。
層間接着剤
層間接着剤は高透明PETフィルムとハードコートを接着させる役割があります。
ハードコート
ハードコートはフィルム表面を傷から守る役割があります。
※フィルムの種類によってはハードコート層がありません。
UVカットフィルムが紫外線をカットする仕組み
太陽光に含まれる紫外線A波(UV-A)と紫外線B波(UV-B)が窓ガラスに当たります。
Step1
UVAは窓ガラスで20%前後吸収されます。そして、UVBはある程度ガラスに吸収されます。
Step2
更に、UVAとUVBはガラスフィルムの透明粘着剤で吸収されます。
結果として、紫外線の99%以上をカットできます。
他の遮熱フィルムや遮熱断熱フィルム、防犯フィルム(貫通防止フィルム)、目隠しフィルムは以上の基本構造に加えて、材質構成の変更や多層構造、特殊な表面加工により作られています。
高分子材料により製造されているガラスフィルムは目的に応じて様々な機能性が与えられています。
UVカットフィルムのメリット
紫外線を99%以上カットするUVカットフィルムは紫外線から人の肌と室内を守る効果があります。
肌のUV対策
【1】肌の日焼けを予防。
【2】肌のシミやシワ、たるみを予防。
室内のUV対策
フローリングやカーペット、畳、壁紙、家具、調度品、絵画の日焼け、色褪せ、劣化を抑制します。
紫外線の詳細については、以下の関連記事をご参照ください。
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