辞書のスーパー大辞林によりますと、眺望(ちょうぼう)とは「遠く見渡すこと。また、その眺め。みはらし。」。
例文として、「眺望が開ける」「関東平野を眼下に眺望する」とあります。
類語として、「展望(てんぼう)」という言葉があります。眺望と展望はほぼ同じ意味ながら、これらは使い方に違いがあります。
「展望台から景色を見る」「将来の展望」という使い方があるものの、「一戸建ての窓からの展望がいい」とは言いません。この場合、「一戸建ての窓からの眺望がいい」が正しい日本語。
住宅業界や不動産業界は、よく「眺望」という言葉を使うことからも、建物からの見晴らしがいい場合、「眺望が良い」と表現します。
窓ガラス越しの「眺望」は窓の大切な機能。そして、眺望は人の心理面と大きな関係があります。
そこで、眺望と人の心理、そして、より積極的に「眺望」を楽しむことで、よりライフスタイルが豊かになる方法をご紹介します。
窓と人の心理面の関係
人が生活する建物には、必ず窓ガラスが設置されています。一戸建ての家やマンション、商業ビルには建築基準法上、一定面積以上の窓ガラスの設置が義務付けられています。
窓ガラスの主な役割は
「採光」
「通風」
「眺望」
以上の3つ。
これらは、窓ガラスが持つ大切な機能。
そして、窓ガラスは機能性だけではなく、そこで生活する、または働く人たちの心理面にも関係しています。
窓があるからこそ、窓越しの景色を眺めて天気や雲行き、樹木の枝の動きで風を確認したり、開放感や季節の変化を楽しむことができます。
また、汚れた窓ガラスを掃除すると視界がすっきりして、すがすがしい気持ちになります。
このように、窓は人の心理面にも大きく関係しています。
眺望を遮るカーテン、ブラインド、サンシェード
誰もが、一戸建ての家やマンションの窓からの眺望が良い方が心地いいのではないでしょうか?窓越しの外の様子がはっきり見えた方がすっきりしていて気持ちいいものです。
朝、起床して、窓越しの外の景色を眺めて、天気が良ければ気分が高まります。
ところが、多くの窓ガラスにはカーテンやブラインドが設置されています。あるいは、南向きのリビング窓ガラスの外側にサンシェードなどの日よけを設置する場合もあります。
それらが、多かれ少なかれ視界を遮っています。
レースカーテンや日除けにより、太陽光の眩しさを和らげてプライバシーを確保できます。しかし、これらにより、外の様子が分かりにくくなってしまうデメリットも無視できません。
また、ブラインドはスラット(羽根)の角度を自由に調整できるものの、横方向に伸びるスラットの断面が視界を遮ります。
せっかく窓には眺望という機能がある以上、それを最大限に楽しむのも豊かなライフスタイルに繋がるのではないでしょうか。
時には、レースカーテンを開け、ブラインドを上げて、太陽の光を室内に取り入れることで、明るい部屋から眺望を楽しむことができます。
ところが、夏季、日射熱が室内を暑くしてしまいます。そして、同時にプライバシー確保の問題があります。
そこで、それらの問題を解決するには、窓ガラスにガラスフィルムを貼り付ける方法があります。
ガラスフィルムで遮熱、断熱、プライバシー保護
代表的なガラスフィルムメーカーとして、3MTM、サンゲツ、住友理工、GLAFIL(グラフィル)が挙げられます。 窓ガラス用のガラスフィルムは進化を続け、ラインアップが充実しています。
ガラスフィルムのラインアップは目的と用途別に細分化されています。
夏季の暑さ対策
夏季の眩しさと日射熱が気になるならば、「遮熱フィルム」が効果的。
遮熱フィルムが窓ガラスから室内に流入する日射熱を和らげてくれます。エアコン効率が上がり、節電にも繋がります。
【関連記事】
冬季の寒さ対策
冬季、外の冷気で冷やされた窓ガラスとサッシが室内を冷やします。同時に、暖房で暖められた室内の遠赤外線(熱)が窓から外へ逃げていきます。
これを解決するには、「高性能ペアガラス+樹脂サッシ」に入れ替える方法があります。
しかし、高性能ペアガラス&樹脂サッシへの交換は簡単なリフォーム工事ではありません。二階建て住宅ならば、足場を組んで外壁の一部を壊し、サッシを丸ごと交換する必要があります。このような大掛かりなリフォームは工事費が高額になります。
そこで、今の窓ガラスに「遮熱断熱フィルム」を貼り付けることで、夏は遮熱、冬は断熱効果があります。
ガラスフィルムの効果はなんとなくという曖昧なものではなく、フィルムメーカーが仕様一覧表に各性能を数値化しています。
ちなみに、建築用ガラスフィルムの厚さはわずか50μm(マイクロメートル)。50μm = 0.05mm。これは、髪の毛1本とほぼ同じ。
窓ガラスに、たった1枚のガラスフィルムを貼り付けるだけで、窓ガラスの機能性を高めることができます。
「そんなこと、できるの?」とお思いかもしれませんけど、今日のガラスフィルムは先端技術が投入されているハイテク製品と言えます。
【関連記事】
プライバシー保護
次に、プライバシー保護のためのガラスフィルムがあります。プライバシー保護の目隠しガラスフィルムはミラーフィルムやスモークフィルム、デザインフィルムなどがあります。
ガラスフィルムには可視光線透過率(%)という値が与えられ、この値で可視光線が室内にどの程度入ってくるのかが分かります。
可視光線透過率が50%以上のガラスフィルムでしたら、室内が暗くなる印象は受けません。
プライバシー保護の目隠しガラスフィルムを施工することで、外から室内がまったくと言っていいほど見えません。そして、室内から外がはっきり見えます。
【関連記事】
ガラスフィルムが室内空間を変える
ガラスフィルムに使われる高分子素材は進化を続けてきました。10年を一昔とするならば、今日のガラスフィルムは一昔前より明らかに進化しています。
わずか厚さ50μm程度のフィルムに様々な機能を与えることが可能となり、ガラスフィルムのラインアップは充実の一途をたどってきました。
高気密高断熱住宅がトレンドの下、今日の新築住宅には必ずと言っていいほど窓に複層ガラスが設置されています。窓ガラスの性能を上げると、家の性能が上がるからです。
かと言って、現存する住宅の窓ガラスを全て高性能ペアガラス&樹脂サッシに入れ替えるとなると、工事費を含めて高額な費用がかかります。これは、現実的とは言い難いのです。
窓ガラスのカスタマイズ
それに対して、ガラスフィルムの施工でしたら、桁違いの価格で施工ができます。
幅広いガラスフィルムのラインアップの中から、目的と用途にマッチするフィルムを施工することで、言わば窓ガラスのカスタマイズが可能になります。
窓ガラスのカスタム素材であるガラスフィルムで、時にはカーテンを開き、ブラインドを上げることで、明るい部屋から眺望を楽しむことができます。
もしかして、視界の中に今まで見えていなかった新たな発見があるかもしれません。
コメント