窓ガラスにガラスフィルムを施工後、フィルムがガラス面に強固に接着するまで日数が必要です。これを養生期間と言います。
そして、ガラスフィルムのメンテナンスは窓ガラスとは異なります。
それでは、ガラスフィルムの養生期間とメンテナンスについて解説します。
ガラスフィルム施工後の養生期間
職人がフィルムの施工時、ガラス面に施工液を噴霧します。この工程時、どうしてもガラスとガラスフィルムの間に微量の施工液が残る場合があります。フィルムの一部に水泡が残ったり、フィルム面が曇って見えることがあります。
これは、水残り現象と呼ばれるもので、液体は時間をかけて徐々に蒸発して消えていきます。この養生期間中、水泡を触らないでください。
水泡が蒸発していく期間の目安は次のとおりです。
養生期間の目安
フィルムの種類 | 夏季 | 春、秋 | 冬季 |
透明UVカット フィルム | 1~2週間 | 2~3週間 | 1ヶ月 |
遮熱、遮熱断熱 フィルム | 1~2週間 | 1ヶ月 | 2ヶ月 |
防犯フィルム | 1ヶ月以上 | 約2ヶ月 | 3ヶ月以上 |
冬季、結露しやすい窓ガラスや北側の窓ガラス、そして、梅雨の時期は上記期間より養生期間が伸びる場合があります。
ガラスフィルムのメンテナンス
ガラスフィルムに汚れが付着した状態のまま放置すると、フィルムの劣化が進行することがあります。また、付着した汚れにより、フィルム本来の性能が発揮できなくなることがあります。
ガラスフィルムの性能を維持するために、簡単なメンテナンスをお勧めします。
ガラスフィルム掃除の際の注意点
・フィルム面の掃除は、上記の養生期間が過ぎてから行ってください。
・柔らかいタオルに水を含ませて固く絞り、軽く一定方向に拭きあげてください。
・フィルム面の汚れが取れにくい場合、柔らかいタオルに十分な水を含ませて汚れを浮かせます。その後、タオルを固く絞って、軽く一定方向に拭きあげてください。
・フィルム面の汚れが頑固な場合、中性洗剤を薄めて使用してください。
・ブラシ類、クレンザーなどの研磨剤入り洗剤、硬いスポンジなどを使用するとフィルムに傷が付きます。
虹彩現象
ガラスフィルムは基材、接着剤、ハードコート層などの複数枚の膜を積層して製造されています。これが理由で光の干渉が発生することがあります。これは、虹彩現象(こうさいげんしょう)と呼ばれます。
太陽光や室内照明の光の反射具合によって、ガラスフィルム表面に虹のような模様が見える場合があります。これは、フィルムそのもの仕様であり、不具合ではありません。
ガラスフィルムの劣化
建築用、窓ガラスフィルムの耐久性は半永久的ではありません。内貼り用フィルムの耐久性は約10年が目安となるものの、これは環境によって左右されます。
熱がこもる場所や湿度が高い環境下のフィルムは劣化が進みやすくなります。中長期的にフィルムが白濁してくるケースがあります。また、フィルムの色むらが肉眼で確認できるようになる場合もあります。
年数経過によりフィルムの強度が低下し、接着力が低下してきます。フィルムの性能が低下してくると、フィルム本来の性能が発揮できなくなります。
ガラスフィルムのコストを10年スパンで長期的に計算すると、1日あたりのコストはリーズナブル。
フィルムの劣化が目立ってきたり、施工からの年数によっては貼り換えを検討されることで安全、安心で快適な室内空間を保つことができます。
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