幅広い窓ガラスフィルムのラインアップの中で、夏の暑さと冬の寒さを和らげてくれるフィルムは「遮熱断熱フィルム」。
わずか50μm(新聞紙1枚ほど)の厚みの遮熱断熱フィルム1枚が夏の暑い日射熱をカットし、同時に窓の断熱性能がアップ。これにより、冬季の室内がより暖かくなります。
では、窓ガラスに遮熱断熱フィルムを施工すると、具体的にどの程度の省エネ効果があるのか気になるところ。
そこで、インテリア業界の雄として知られているsangetsuさんが「遮熱断熱フィルム」の省エネ効果をテストし、公式データを公開しています。
窓ガラスに薄いガラスフィルムを1枚貼るだけで、興味深い結果が出ています。
遮熱断熱フィルムの省エネテスト
sangetsuさんが2017年6月~2018年3月にかけて遮熱断熱フィルム(低放射フィルム)の省エネ効果を検証しました。
高等学校の隣り合わせの2つの教室で日中の省エネ効果を8ヶ月にわたり検証。窓ガラスに遮熱断熱フィルムを施工した教室と未施工の教室の消費電力量を比較。
(出典)sangetsu
測定条件
【検証場所】三重県鈴鹿市、三重県飯野高等学校 第1棟3階、1年1組教室&2年1組教室
(出典)sangetsu
【空調稼働時間】8:30~16:00
【夏季の冷房設定温度】28℃
【冬季の暖房設定温度】19℃
【窓ガラスの条件】
窓の方位:南および北面
仕様:3mm厚、透明フロートガラス
施工面積:19.4m2(南面:12m2+北面:7.4m2)
(出典)sangetsu
測定方法
窓ガラスにsangetsu/クレアス低放射エコリム70(GF1206)ガラスフィルムを施工した教室(2年1組)とフィルム未施工の教室(1年1組)の空調消費電力を比較。
(出典)sangetsu
年間空調消費電力量
【赤】の棒グラフは遮熱断熱フィルム未施工の1年1組のエアコン消費電力。
【青】の棒グラフは遮熱断熱フィルム施工済の2年1組のエアコン消費電力。
2017年6~9月、12月と2018年1~3月までの8ヶ月間、全ての月のエアコン消費電力が下がっています。
2017年5月、10月、11月、2018年4月はエアコン未使用の期間です。
※試験結果は測定値であり、保証する値ではありません。
(出典)sangetsu
省エネルギー効果
2017年6月~9月までの期間(夏季)、20~30%超の省エネ効果が確認できます。そして、2017年12月~2018年3月までの期間(冬季)も確実な省エネ効果が確認できます。
※試験結果は測定値であり、保証する値ではありません。
(出典)sangetsu
省エネ検証結果
学校の南と北面の窓ガラスに遮熱断熱フィルム、クレアス低放射エコリム70(GF1206)を施工後、次の省エネ結果が得られました。
省エネ効果
【夏季の冷房期間中】27.5%の省エネ効果
【冬季の暖房期間中】7.1%の省エネ効果
【通年】15%の省エネ効果
(出典)sangetsu
考察
・高等学校で検証テストが実施されたため、空調の稼働時間は8:30~16:00。一般のオフィスや店舗、飲食店、病院、クリニック、歯科医院などでは、エアコン冷暖房がより長時間、稼働を続けます。
よって、窓に遮熱断熱フィルムの施工により、上記データ以上の省エネ効果が期待できます。
・窓+遮熱断熱フィルムで特に、夏の省エネ効果が高いことが確認できます。
・エアコン暖房を使用する冬季、遮熱断熱フィルムの遮熱効果により、日射熱取得率が低下します。同時にフィルムの断熱効果により、教室の熱の流出を抑制できます。
これらの効果が意味するのは、冬季の曇りや雨、雪の日は上記データ以上の省エネ効果が期待できます。
まとめ
上記データはシミュレーションではなく、公共施設である三重県鈴鹿市の三重県飯野高等学校で実施されたテスト結果であり、リアルなデータとなります。
では、最後にテストデータをまとめます。
・窓ガラスに遮熱断熱フィルムを施工後、夏季と冬季の省エネ効果が明らか。
・夏季の省エネ効果が高い。
・冬季の省エネ効果も得られる。
+
・遮熱断熱フィルムは99%以上、紫外線をカット。
・ガラス飛散防止効果により、台風上陸時のガラス飛散による人的被害を防止。
※当ページの「遮熱断熱フィルム」と「低放射フィルム」は同じ意味です。低放射は英語でLow-E(Low Emissivity)のため、Low-Eフィルムとも表現できます。
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